【カッチカチやないぞ!】自衛隊地方協力本部のTwitterが柔らかすぎる

木曜日のプランナーズブログ、アクトゼロの山田がお送りします。

TwitterとかFacebookとか、みなさんは投稿する時に、ここまではOKというラインをお持ちですか?
ここまでなら大丈夫だろう…だったり、これはさすがにまずいな…だったり。

個人のアカウントと言えども、フォロワーさんや友達から見た時の“自分像”を意識して投稿される方が多いのではないかと思います。
ましてや、会社のアカウントを任されていたり、仕事用のアカウントを使っていたりする場合は、ことさら注意深く、まじめに使われているはずです。

しかし、会社のアカウントだから真面目にしなければならない、なんていう決まりはないのです。
というのも、ここ最近話題になっている、ある“お堅い団体”のTwitterアカウントが、かなり緩々なツイートを行っていて、一般のフォロワーと絡みまくっているのです。
一般の企業では、緩めのツイートを行うアカウントもちらほらあり、一時期は“軟式アカウント”なんて呼ばれていました。

自衛隊宮城地方協力本部がフィーバーしている

そのお堅い団体とは、日本では知らない人はいないであろう「自衛隊」です。
当然と言えば当然ではありますが、自衛隊も時代の流れに合わせて、TwitterやFacebookといったSNSを活用した広報活動を積極的に行っています。
もっとも大きな括りである、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊といった各組織の名前を冠したアカウントは至って真面目な内容になっているのですが、宮城県にある地方協力本部のTwitterアカウントが、今話題になっているのです。

地方協力本部というのは、各地域ごとに設置されている自衛隊の窓口のようなもので、各地域で広報活動を行ったり、自衛隊への志願者の応対を行ったりする機関です。
広報活動や自衛官を募集するためにTwitterを利用しており、一言で言えば、一般の人に自衛隊の魅力を伝えるためのツールとして使われています。

直近のフォロワー数推移

直近のフォロワー数推移

アカウントの開設からフォロワーがユルユルと増え続けて、現在5万7000フォロワーを抱えるアカウントに成長しています。そして、すごいのが総ツイート数で、のべ2万9千を越えています。
最近ではまとめサイトやニュースサイトに取り上げられることで、瞬間的にフォロワーが増える傾向も出ていて、今最も熱いアカウントのひとつと言えそうです。

そして、このアカウントの秀逸なところは、とにかくフットワークが軽い点にあります。中の人(運用担当者)は、ネット文化を熟知していて、乗っかれるものには乗っかっていっているのです。

そのフットワークの軽さをまとめてみるとこんな感じでしょうか。

 

①季節ネタに乗っかる
つい最近、10月31日のハロウィンですね。ハロウィンに絡めては、このツイートだけでなく、他にもいくつかツイートしています。

 

②面白いハッシュタグに乗っかる
9文字打ってますね。ってことは…。

 

③ネットスラングに乗っかる
2ちゃんねるのカーチャン(&たけしorたかし)AAを使って、自衛隊の略称を伝える。

 

④真面目な自衛隊の写真に勝手にセリフを付けちゃう
コテコテの関西弁を入れて面白くしてしまう。

 

⑤自衛隊の文化を分かりやすく紹介する
海上自衛隊では、金曜日はカレーの日なのです。※海の上でも曜日感覚を忘れないためだそうです。

 

⑥ちょっとだけ公私混同する
アニメキャラの誕生日を祝っちゃう。(自衛隊に関係ないこともないですが…)

 

⑦自衛隊の内情をばらすことも
ちなみに、「まつざきしげるいろ」は本当にありました。

 

⑧だけど、締めるところは締める
自衛隊のかっこいいところを伝える。

 

真面目ばかりが脳じゃない!企業ならもっと柔らかくできる…かも?

冒頭で話した通り、一般の企業であれば以前からゆるい運用をしているアカウントも多かったのですが、一般的にお堅いイメージの自衛隊のアカウントであることの衝撃はかなりのものです。
もちろん宮城だけではなく、岡山地方協力本部など各地方でのアカウントも、なかなか特徴的で親しみやすい運用をされています。

少々ネタ的に取り上げてしまいましたが、上で挙げた8つの項目は、一般の企業でも役に立つ運用アイデアになり得るはずです。
特にTwitterは日本では独特の文化が形成されていますので、そのTwitter文化に合わせないと、単なる一方的な情報の垂れ流しなってしまう恐れがあります。
また、このアカウントがツイートしている内容を見てみると分かるのですが、飛んできたメンションにとにかく細かなリプライをしており、いろいろなツイッターユーザーと良好な関係を築いているのが分かります。
そして何よりも、担当の方が生き生きしているというか、Twitterやるのが大好きなのが伝わってきます。

企業が使うからにはルールや体制を構築すると言うのも重要ではあるのですが、Twitterのような動きが速いSNSに関しては、好きな人がガシガシ率先してやると言うのも即効性があるのかもしれません。

アクトゼロ / 山田佳祐