YouTuberの制作現場とインタビュー ~企業コラボ動画を劇団スカッシュと制作

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弊社のブログでも、度々ご紹介しているYouTuber。YouTube上で視聴者の人気を集めるパフォーマーやクリエイターのことを意味し、企業プロモーションとのコラボレーションの動きが近年、見られています。(参照:2013.8.23 YouTube上で進む、企業と国内YouTuberのコラボレーション

上記の参照先の記事で注目されている「劇団スカッシュ」は、2002年に旗揚げされた、男性4名が中心メンバーの劇団。その活動の一環で、YouTube上で「SQUASHfilms」名義で2008年からオリジナルの動画を公開し始め、現在ではチャンネル登録者数は67000人以上、総再生数5000万回を誇る、人気YouTuberの一人(団体)です。

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劇団スカッシュYouTubeチャンネル(SQUASHfilms)
http://www.youtube.com/user/SQUASHfilms

劇団スカッシュの動画の特徴は、演劇集団という点を生かした、ストーリー仕立ての”ドラマ”であること。これが人気の理由の一つといえるでしょう。ストーリー仕立てという点が、企業のPRしたい点をドラマの中にさり気なく盛り込むことができるので、企業コラボが実現しやすいといえます。

弊社、アクトゼロでは、こうしたYouTuberの皆さんと企業クライアントを結びつけた企業コラボ動画制作を推し進めています。現在、ある案件で劇団スカッシュさんと動画制作を進めている最中で、先日、撮影現場に立ち会わせて頂きました。その撮影風景のご紹介と、劇団スカッシュさんにお聞きしたYouTube動画制作についてのインタビュー記事をお届けしようと思います。

テンポよく、スピーディーに進んでいく撮影

都内のある会議室。キャスト兼スタッフの6人の皆さんが集まって撮影を行いました。この日は、就職活動の面接の風景の撮影のようです。

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撮影現場独特の緊張感の中、劇団スカッシュ主宰で、YouTube動画制作では脚本・監督・撮影担当の大塚竜也さんの掛け声が会議室に響きます。「本番!3・2・1・・・」合図とともに演者さんの演技がスタート。「カット!」という大塚さんの声が出た瞬間、張り詰めた雰囲気が一気に緩み、時には笑い声が広がります。かと思っていると、休む間も無く、てきぱきとカメラ位置やアングルを変更し、演者さんに演技指導を行なって、次のカットの撮影が再び始まります。一般的なドラマ撮影よりもとてもスピーディーで早い展開で撮影が進んでいる印象です。

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機材は一脚に取り付けられたシネマ撮影用のカメラがメイン。このおかげで、機動力があり、スピーディーな撮影が実現しているのでしょう。度々、絵コンテを基に必要なカットの確認をしながら、順調に撮影は進行し、2時間程度で面接シーンの必要な映像素材の撮影は終了しました。

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大塚竜也さん(劇団スカッシュ主宰)にインタビュー

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◆今日、初めてスカッシュさんの撮影現場に立ち会いました。普段もこのような感じで撮影しているのですか?
そうですね。今日はキャスト兼スタッフで6人で撮影しています。普段もだいたいこの位の規模で撮影しています。劇団が男ばかりなので、特に女性が必要な時などゲストを呼ぶことがあります。

◆すごくフットワーク軽く撮影していたように思います。
あんまり沢山の機材でゴテゴテしてしまうとスピーディーに動けないので、けっこうシンプルなスタイルで撮影しています。以前は三脚を使っていたのですが、それすら時間がかかるので今では一脚をよく使っています。撮影は毎回、トントントンっとテンポよく撮っていますね。それでも、YouTuberの中では比較的、しっかりと画作りにこだわって撮影している方だと思います。カメラは自前で、Canonのシネマ用のカメラC100を使っています。

◆動画一本分の撮影にどれくらい時間をかけていますか?
動画の内容や撮影のロケーションにもよりますが、3分モノの動画を作るのに、だいたい1日はかかります。

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◆メンバー間で作業の割り振りとかあるのですか?
大体の分担はあります。僕は台本を書いて撮影することが多いです。その後、健ちゃん(前川健二さん/役者)が仮編集を行い、大地(中田大地さん/役者・演出補佐)が細かく編集します。大塚兄弟は、編集結果を見て文句ばっかり言っています。二人とも編集していないくせに「全然違うんだよなー」とか言いながら鬼チェック役です。(笑) そして、最終的に大地がキレる。(笑)
※主宰の大塚竜也さん・大塚祐也さん/役者 は兄弟です。

◆YouTube動画制作で、苦労するところは?
僕の担当だからということもありますが、「アイデア」ですかね。台本を書くときのアイデア出しが一番苦労します。あと、大量に映像を撮った後、編集を行う際にもいろいろ演出を行うのですが、その段階もけっこう大変ですね。

◆YouTube動画制作を行っていて、嬉しい時は?
何よりも動画が完成してYouTubeにアップロードして、視聴者から反応をもらう時が嬉しいですね、やっぱり。観てもらって反応を受けると、毎回ながら良かったと思います。ただ、観てもらうところまでの制作過程はなかなか辛いですけど。

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◆YouTube動画を制作する上で「コツ」とは何でしょうか?
YouTube動画のそもそものセオリーとして、動画の最初の15秒で視聴者の興味を掴んで、全長で3分以内の内容が望ましいと言われています。劇団スカッシュのYouTube動画の場合、ストーリーの展開が早く、カット割りも早い、テンポの良い動画制作を心がけています。視聴者が ”どんどん観続けてしまって止まらない” みたいな、視聴者に飽きられて違うサイトや別の動画に飛ばれないコンテンツを心がけています。特に今回は広告系の動画なので、カット数多くして飽きない工夫をしています。
※カット割り=カメラアングルなどが異なる映像を切り替えること

◆企業コラボ動画と普段制作している動画の違いは?
企業コラボ動画の場合、わかりやすいのは制作費をかけることができるという点です。予算的に余裕があるので、いつもと違う衣装やロケーションに挑戦することができます。演出的に「遊び」の部分が増えるのが良い所だと思います。作品のクォリティーが高くなったり、作品に広がりができるのが楽しい部分ですね。こうした結果、作品がより面白いものになって、クライアントのPR効果に結びつけばと思っています。

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◆YouTubeを使った企業のプロモーションについてどうお考えですか?
YouTube動画は、広告に近いものがあると思います。TVCMは15秒や30秒といった短い尺の中で展開しますが、YouTube動画は数分の間が勝負になります。本来、テレビドラマなどの場合、起承転結を考えなくてはなりませんが、YouTube動画の場合、転と結の部分だけで構成したり、転の部分を何度も繰り返して構成することがあったりします。これが楽しかったりしますね。

海外はYouTube動画による広告プロモーションの考え方が根付いて、その形が出来上がっているように思えますが、日本ではまだまだ開拓されていないと思っています。なんとなくの形は日本でも始まってはいますが、まだ王道というものがありません。今、それをどうにか劇団スカッシュで作れないか、と思いながら試している最中です。

◆これからどんなYouTube動画を作っていきたいですか?
YouTubeでエンターテイメントなドラマを作っているのは劇団スカッシュしかいないと思っていますが、何か新しい作品の形を出して行きたいと思っています。普段は、短い尺でテンポよく展開する動画ばかりを制作しているんですが、例えばちょっと尺が長めで楽しめるものとか。

YouTubeに特化した動画を作るのはすごく難しいんです。テレビのやり方・表現をそのまま持ち込むだけではダメなんです。YouTubeに特化した動画というのが果たして何なのか、僕達含めて多くのYouTuberがまだ探り続けている部分なのだと思います。かつてテレビがその表現を追求して盛り上がっていた時期があったように、今はYouTubeの表現を模索することが、僕たちはけっこう熱いことなのではないかと感じながら、いろいろ探っている最中です。

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だいぶ早い時期からYouTube動画を制作されてきただけあり、非常に参考になるメッセージだったと思います。大塚竜也さんはじめ、劇団スカッシュと演者の皆さん、ありがとうございました。引き続き、映像制作の方、よろしくお願いいたします。

現在、制作中の企業コラボ動画は11月上旬頃に公開になります。果たして、このように撮影された映像が、どんな作品に仕上がるのか楽しみですね。公開の際にはアナウンスさせていただきますが、是非、劇団スカッシュさんのチャンネルを登録してお待ち下さい!劇団スカッシュYouTubeチャンネル(SQUASHfilms)http://www.youtube.com/user/SQUASHfilms