【YouTubeで見る】ネット選挙解禁後のWeb動画戦略・政党別まとめ

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金曜日のソーシャルメディアインサイトをお送りします。アクトゼロの黒沼(@torukuronuma)です。ご無沙汰しております。

参院選が終わり、ブログ記事でネット選挙の総括が次々と行われていますが、概ね「ネット上での情報発信が、実際の投票活動歴あまり結びつかなかった」という見解だったかと思います。

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しかし、落選運動の動員へと結びついた例として、宮城選挙区の「[民主党]岡崎トミ子氏落選運動」が上げられます。当初岡崎トミ子氏の2位通過が確定的と予想された選挙区でしたが、予想で第3位に位置していた[みんなの党]和田政宗氏が岡崎トミ子氏の過去の反日デモへの参加について触れ、ネット上の保守層の落選運動へと結びつき、まさかの和田氏による逆転当選となりました。落選運動内で繰り返し引用されていたのは以下のYouTube動画でした。

和田氏は選挙期間中、岡崎氏が平成15年2月にソウルの日本大使館前で行われた元慰安婦支援団体主催の反日デモに参加したときの画像を載せた。和田陣営は「事実を載せただけ」としているが、これにネットユーザーが反応した。「愛知候補の票はもう十分。これ以上は死に票です。2議席目は和田政宗に投票を! 岡崎トミ子を落選させましょう」選挙戦中盤に入ると、このような一般ユーザーによるツイッターへの書き込みが急増。ネット選挙解禁で認められた「落選運動」に火が付いた。結局、22万票以上を獲得し、約5千票差で岡崎氏を抜き去った。

【ネット選挙 決算(上)】火が付いた「落選運動」、駆け抜けた「デマ」 功罪くっきり 当落左右+(2/4ページ) – MSN産経ニュース 

この質疑動画自体は、民主党が政権を持っていた時期のもので新しい情報ではありませんでした。しかし、過去の動画アーカイブが引用され今回の落選運動に利用されたのは象徴的でした。

今回は、各主要政党がネット選挙前後に行ったWeb動画戦略をまとめました。

自由民主党

自民党では、ネット選挙解禁以前より、「Cafesta」という党本部の一角を利用した常設スタジオを使って、議員持ち回りで情報発信の番組を定期配信しています。議員が、その時々に取り組んでいる活動報告を行う形式なのですが、シリアスと言うよりは、全編和やかな雰囲気でその議員の人となりを認知させることに主眼が置かれたプログラムとなっています。

選挙期間中は、全国各地を選挙応援に回る有力議員のアーカイブとして機能していました。特に人気を集めたのは、小泉進次郎青年局長の山形での応援演説でした。

民主党

民主党でもまた、DPJ-STUDIO22というレギュラー番組を持っています。有力議員と議員またはゲストと言う構成でトーク番組形式で行われているものです。ゲストに、田原総一朗氏や東浩紀氏など著名なゲストを招くことで、新たな視聴ユーザーと民主党との接点を開くことをコンセプトとしています。

その他の選挙期間中の動画としては、参院選に出馬した各候補の街頭演説の様子などが広くアーカイブされています。

みんなの党

みんなの党も「週刊みん生!」という番組をレギュラーで配信しています。第1回放送冒頭で「議員の普段の姿や趣味の話など」をお送りすると明言されていましたが、後半は政策よりの番組変更されてきています。

もちろん記者会見や街頭演説動画もひと通りアーカイブされており、活用は積極的な方かと思います。

日本維新の会

テレビCMで維新八策LIVEで検索とある通り、YouTube上では維新八策LIVEというプレイリスト上で、2枚看板である橋下徹氏と石原慎太郎氏の街頭演説がまとめられています。レギュラー番組として「維新なチャンネル」も配信しており、民主党と同様に橋本代表がゲストと議論をするという番組となっています。

 

YouTube動画の埋め込みができない設定になっていたため、USTREAMで配信されていた同番組をご覧ください。

日本共産党

今回ネット選挙に合わせて、攻めに転じてきたのは日本共産党でした。選挙対策に日本共産党の活動を広く伝えるゆるキャラ集団「カクサン部」を設定し、動画でもちゃんと話題になりそうな踏み込んだネタを取り入れています。

レギュラーではないものの特番のような形で、ニコニコ生放送上で「とことん共産党」というプログラムを持っています。

社会民主党

福島瑞穂党首の知名度に寄る他ない社民党では、レギュラープログラムこそないものの福島瑞穂に密着する形で、数多くの配信をこなしました。

又市征治氏の決起集会に参加していた村山前首相とのツーショット動画です。

まとめ

記事を書きながら、各政党のチャンネルをまとめていましたが思いのほかレギュラープログラムを用意している政党も多く、ネット選挙解禁のタイミングでそれぞれ力は入っていたのだなと改めて感じました。ただこういったコミュニケーションはソーシャルメディア同様、継続していく中でつながりが強くなっていくものだと思います。選挙期間だけではなく年間を通して有権者と継続対話できるチャンネルとして、活用が進んでいけば徐々に選挙に対する影響力を発揮していくのではないかと思います。

ネット選挙解禁以前の選挙で、地道に支持基盤をすこしずつ築いてきたように、ネット上でも少しずつ新しい有権者の心を掴んでいける政党が出てくることを期待しています。