人の手のあたたかさが人気を呼ぶ、新しいコンセプトのネットショップ

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金曜日のソーシャルメディアインサイトをお送りします。アクトゼロの黒沼(@torukuronuma)です。

今日は、ネット上で存在感を増してきた、新しいスタイルのネットショップ形態についてお送りします。キーワードは「人の手のあたたかさ」です。

私が使っていたお気に入りたちを販売するショッピングサイト「Lovvd」

Lovvd | Buy & sell pre-loved bags and shoes

先日StartupDatingで紹介されていたサービスLovvdは、いわゆるユーズドブランドのソーシャルマーケットですが、そのコンセプトが新鮮です。

そこで販売されている、靴や鞄はサイトの名前が「Lovvd(loved)」なことからも分かる通り、買い手にとってかつて大事に使っていたお気に入りであるということが全面に押し出されています。売り手は、自分の販売したいものをショーケースとして管理するのですが、ズラッと並ぶショーケースは売りたいものリストであると同時に、自身のコレクション展示でもあります。それぞれの商品は、単に物として扱われるだけでなく、その商品をかつて愛していた人とセットで語られます。

買い手にとっては、「あのセンスのよさそうな人が使っていたものだから、よりいいものに見えて欲しくなる」ということがあると同時に、売り手にしてみても、単にオークションサイトで売るよりも商品の価値をわかってくれる人が買ってくれる気がする(≒ちゃんとした値段で売れそう)というメリットがあります。

Lovvdは香港のサービスです。日本国内でいわゆるリサイクルファッションの売り方といえば、可能な限り元の持ち主の情報や痕跡を消し去ることで「だれの手も触れていないように整えた商品」として店頭で並べることが当たり前ですが、真逆のコンセプトで運用されていると言えます。

当たり前ですが、コンセプトって大事なんですね、日本国内にもそのあたりにちゃんと気づいているショップがあります。

「PASS THE BATON」店舗でも商品に情報がついてくる新しいユーズドショップ

丸の内と表参道に店舗を構えるリサイクルショップ「PASS THE BATON」も、lovvdに親しいコンセプトで運営されているショップです。

PASS THE BATON

そのコンセプトはこうです。

NEW RECYCLEをコンセプトに、
個人から集めた想い出の品物や、
すごく愛用していたけれど今は使わない、でも捨てるのは惜しい。
そんな品物を、大切に使ってくれる次の方へ、
持ち主の顔写真とプロフィール、
品物にまつわるストーリーを添えて販売します。

高級品や低価格な品物だけを販売する
従来のリサイクルショップではなく、
個人のセンスで見いだされた品物や、
使っていた人物の人となりが伝わる品物を扱う
新しいリサイクルショップです。

| PASS THE BATON http://www.pass-the-baton.com/c/pages/about

店舗を訪れると、リサイクルショップと言うよりは、おしゃれな古物・雑貨店にいるような雰囲気です。ブランド品から洋服、アクセサリーにとどまらず、食器や文房具など、それぞれに歴史を持っていそうな「ちょっと良さそうな品物」であふれています。ひとつひとつの商品にはタグが付けられており、元の持ち主の名前と、その商品にまつわる短いメモが付けられています。どこでその商品と出会いどういったシーンで使っていたかが記されています。

オンラインショップでも、そのルールは守られており、持ち主のプロフィールや、商品にまつわる思い出などが必ず付記されています。

一点物のハンドメイド作品を売買できる「Etsy」

商品に人の匂いを感じられるショピングサイトとしては、「Etsy」も興味深いネットマーケットです。
Etsyはリサイクルショップではありませんが、一点物のハンドメイド作品のみを取り扱っています。アクセサリーやギフトカードや自作のipadケースなど、手作りであればなんでもありのマーケットです。

Etsy

Etsyの商品は、店舗内で買われるだけではなくソーシャルメディア上で多くシェアされているのも特徴と言えます。Pinterestなどの画像共有系のソーシャルメディア上でシェアされることで大きく売上を伸ばしています。市販品ではない、あまり知られていない商品の画像でEtsyは溢れており、その「どこでも見たことがない商品」が「話題」としてソーシャルメディア上で消費されていると言えます。

どこでも買えるものはAmazonで、どこでも「買えない」ものをいかに売るか

Amazonや楽天など、ネットショップの大手サイトを利用すれば、今や大抵のものは手に入ってしまいます。ネットショッピングプラットフォームを運営していく上でその土俵で戦っても、ポイントや利便性やスケールメリットを生かした価格差で、苦しい戦いが迫られることは明白です。そこで、いかに特別な商品を創りだし、見つけ出し、ユーザーとの新しい接点のなかでどうやって売るか。そのコンセプトの部分で、ネットショップの新しい挑戦が始まっています。