“面”を押さえに入ったFacebookが企業のソーシャルアクションを変える?

543_3

以前からこのブログでも取り上げている通り、移動中や人を待っている時といったちょっとした空き時間にスマートフォンを弄っている方をよく見かけます。ただ、実際に何をしているかという点になると、複雑な作業をしているというよりは、ゲームやSNS、メールのチェックなど、ある程度定型的に“何をするのか”が決まっているのではないでしょうか?そして、多くの時間を費やす、その行動の中に、企業がどうアプローチすべきかを考える必要があると思っています。その一つの試金石となりそうなのが、Facebookのモバイル展開です。

今回は、Facebookの取り組みをピックアップし、企業としてのアクションを考えてみたいと思います。

広告や「Facebook Home」に見るFacebookのモバイルへのアクション

おそらく多くの方は、FacebokをPCだけでなく、スマートフォンでも利用されているのではないでしょうか。もしかしたら、スマートフォンでの利用がほとんどという方も多い気がしています。
実際、Facebookユーザーに占めるモバイルユーザーの割合は、Socialbakersによると全世界で54%、ここ日本においては72%と非常に多い状況です。

以前はPCでの表示に比べて、スマートフォンでの表示は制約が多く、もっぱら友達やFacebookページのフィードを見ることがメインでした。ただ、機能的な部分は大きく変わりませんが、新しいデザイン(適用されている方と適用されていない方がいます…)では、デバイス間での表示格差が少なくなっています。これは、多くの割合を占めるモバイルユーザーへの配慮と考えることができます。

また、Facebook広告においても、モバイルへの重要度が高まっています。例えば、スマートフォンで自身のニュースフィードを眺めていると、「広告」というバッジがついている記事と間違えてしまいそうなFacebook広告が表示されています。注意深く見てみると、「いいね!」していないFacebookページの投稿が表示されていたり、「ページにいいね!」というFacebookページの「いいね!」を促されるものだったり、記事に間違えてしまう形でニュースフィード上に紛れ込んでいます。

そして、最近では「モバイルアプリインストール広告」というのもあります。これは、スマートフォン向けのアプリをFacebook上で宣伝するためのもので、App StoreやGoogle Playへ誘導してインストールを訴求するものです。Facebookから外部のアプリを訴求するということで、新たな動線として注目されています。

そしてもう一つ、「Facebook Home」が登場しました。
機能的にはAndroid端末向けのアプリになりますが、スマートフォンのホーム画面をFacebookにカスタマイズしてしまうという、今までにないソーシャルアプリです。スマートフォンを操作する際に最も多く目にする部分をFacebookで独占してしまえという、非常にアグレッシブな取り組みと言えます。

スマートフォンの“面”を抑えFacebookの媒体価値を高める

こういった取り組みをFacebookが行う、最大の狙いはどこにあるのでしょうか?
それは、スマートフォンでFacebookを利用するユーザーを収益化するという狙いです。

Facebookユーザーのモバイル使用率は、非常に大きいわけで、多くのユーザーが1日に何回もスマートフォンでフィードをチェックしています。そのスマートフォン上のフィードを広告媒体として重視し、積極的に収益化していこうという流れです。
フィードを抑えていくところから始まったスマートフォンの“面”を支配していく取り組みの延長線上に、「Facebook Home」という一つの形が生まれたと考えることができます。スマートフォン上に表示される時間を増やし、その多くをFacebookに引き付けておくことで、媒体としての力を強固なものにしようとする狙いがあるでしょう。

他のアプリを使用中もFacebookが割り込む“チャットヘッド”

一方、企業側としては、いままで有効なアプローチが少なかったスマートフォンで、Facebookを介して顧客との接触機会を得ることができるようになりました。
既存のスマートフォン向けの広告よりもさらに精度の高いターゲティングを行えるFacebookの広告をモバイル上で実施できるようになったのです。

実際、大量にスマートフォン上での露出を行おうとすると、アプリ上やスマホサイト上に広告を出稿し、とにかく数を稼ぐ方法が手っ取り早い状況でした。しかし、Facebook広告の大きな特徴である細かな設定によって、効率的にターゲットにリーチできるようになりました。

ただ、当然、デメリットもあると考えています。
消費者目線に立ってみると、自身のフィード上に望まない情報が混じってしまうということです。自ら「いいね!」したFacebookページのフィードはともかく、全く興味のない企業の投稿記事やページの宣伝が入ることは、その頻度やボリュームにもよりますが、宣伝を行った企業の情報がネガティブに受け取られてしまう可能性が生まれてくると考えられます。

そういったデメリットを考慮すると、広告に依存するのではなく、Facebook上に企業アカウントを開設して、地道にファンとの関係値を築いていく方が、着実に、そして長期に渡って成果を生み出すかもしれません。
それぞれのメリット、デメリットを把握して、活用することが必須になります。そして、何よりソーシャルを使っている個人という消費者目線を忘れないことです。