リアル「いいね!」企画でちゃんとユーザーに楽しんでもらうために、O2Oのゲーム化を考える。

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金曜日のソーシャルメディアインサイトをお送りします。アクトゼロの黒沼(@torukuronuma)です。

きょうは、O2O(Online to Offline:オンライン上のユーザーを、ネット上ではない実際の店舗・イベントへ導くプロモーション手法)の分野で注目を受けることの多い「リアルいいね!企画」についてお送りします。

リアルいいね!企画ってどういうもの?

リアルいいね!企画について簡単に説明します。イベント会場など、現場に設置した機器を通して、ユーザーにFacebook上で「いいね!」をしてもらうことで、SNS上でつながるそのユーザーの友だちにもイベントの存在を知ってもらう。というものです
機器に関してはトッパンなどがNFCのソリューションを展開しています。
リアルいいね!NFCとFacebookを活用したO2O(オンライン トゥ オフライン)プロモーション | TOPPAN SOLUTION 

企画の流れはおもに図のようなものです(「TOPPAN SOLUTION」Webサイトより引用)。
まず、イベント会場の入口でFacebookのアカウントと会場の個人の腕にまかれたICタグの「紐付け」を行います。その後、ユーザーが会場の各所に置かれたリーダーにかざすことで、Facebook上への拡散がおこなわれます。

ユーザーにどうやってこの仕組みに参加してもらうか

仕組みとしては確かにこれで、現実世界の行動をFacebook上にシェアさせることが可能になったわけですが、実際にイベント会場にこのプラットフォームを持ち込むだけではほぼ拡散されません。

ユーザーが勝手にICタグとアカウントを紐付けて、勝手にリーダーを訪れ、拡散してくれるわけがないのです。このままでは、ユーザーにとってなんにも参加するメリットがないのです。わざわざイベントの宣伝するためにユーザーが自発的に動いてくれるはずがありません。つまり、この「リアルいいね!」をうまく機能させるためには、ユーザーにこの仕組にうまく乗っかっていただく「仕掛け」が必要ということになります。どのような仕組みがあれば、ユーザーの参加ハードルを下げることができるでしょうか?

もちろんイベントの内容が自発的に「いいね!」したくなるくらい素晴らしいものなのであればなんの問題もないのですが、そんなイベントばかりではないはずです。イベントのテーマ・内容に縛られず、リアルいいね!のユーザー参加率を上げるためには、リアルいいね!を「ゲーム化」することが有効です。「いいね!」する行為自体をゲームにしてしまうことで、テクニカルに参加率を上げる方法を考えてみました。

「いいね!」のスタンプラリー化

まず思いつくのが「いいね!」のスタンプラリー化です。イベント内の特定のリーダーを全て回ることで、イベント退場時にその達成度に応じてインセンティブを与えるという方法です。スタンプラリー終了で、抽選ゲームに参加できるといった形や、記念品の全員プレゼントなどが「参加する理由」となります。ICタグのヒモ付作業が、スタンプラリーの参加手続きと同一化されるため、参加者にとって「ただの手間」から「エントリー」へと意味合いが変わってきます。

「いいね!」を参加者の「有限な投票権」に変える

複数あるブースや展示物が競い合う形のイベントの際には、いいね!自体を「投票権」と位置づけることで、ユーザー参加の総選挙型のイベントの一部とすることが可能です。B級グルメの祭典「B-1グランプリ」や、東京デザイナーズウィーク・GEISAIなど、参加者が規定回数だけ投票をする事が可能にすれば、「いいね!」はただのFacebookへの拡散から、「意味ある投票行為」へと意味合いを変化させます。イベントの最後で結果発表などが行われるタイプのイベントなどで、有効に働くはずです。

「いいね!」をガチャ化する

ソーシャルゲームにおける「ガチャ」はユーザーにとってとても魅惑的なものです。何が出るかわからないワクワク感がユーザーを夢中にします。「いいね!」を一回したタイミングで、一回「ガチャ」的なゲームに参加できるようにすることで、「いいね!」をする頻度を向上させることができます。各ブースで、簡単なスロットゲームのようなものを設置し、いいね!をしたユーザーに遊ばせる仕組みを用意させることを義務付けるなどで、ユーザーの回遊率は上がりそうです。

「いいね!」をランキング化する

投票権の項目で説明したとおり「いいね!」が多く集まったブースをランキング化することはもちろんですが、イベントに参加しているユーザーのランキングを見える化することで、参加者同士を競わせることも面白そうです。「いいね!」数の上位ユーザーを表示することで、上位10位以内にインセンティブが与えられるなどすることでいいね!を促進できるはずです。熱烈なファンが多く集まるマニアックなイベントなど、参加者の熱量の競い合いと相性の良いイベントであれば、うまく働きそうです。

「いいね!」を連鎖させる

今のところそういった機能を持ったNFCのリストバンドはありませんが、「いいね!」したタイミングでカウントダウンが始まり、残り時間がゼロになる前に次の「いいね!」をすると、また一定時間からにカウントが回復するバンドが作られれば、連鎖的にいくつの「いいね!」ができるかといった一つのゲームを行うことができそうです。この連鎖数のランキングなどを競わせるなどでゲーム性は更に高まりそうです。

ユーザーに参加させるだけの理由を

企画を作っているとついつい勝手にユーザーが参加してくれるものと考えがちですが、参加者の視点を忘れてしまうことがないようにしたいものです。リアルいいねの仕組みは「参加する楽しみ」と一体になってはじめて有効に働くのです。

 

黒沼(@torukuronuma