多様化するSNSの果てに何が待っているのか -恋するふたり専用SNS「Pairy」-

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SNSというと真っ先にTwitter、Facebook、mixi、LINEといった、お馴染みのサービスが頭に浮かぶのではないかと思います。これらのサービスは一般的な認知度も高く、実際に多くのみなさんが使っています。ただ、やはり多くの人が使っていることで繋がりが増え、「本当に言いたいこと」も言えずにフラストレーションが溜まったり(ポイズン現象)、「SNS疲れ」という言葉も聞いたりするようになりました。

そんな中、この主流のサービスとは一線を画す新たなサービスもいくつか登場しています。以前からひそかにシリーズ化している?少しだけマニアックなサービスを取り上げる回として、今回はそのサービスをご紹介するとともに、細分化されるSNSについて考えてみたいと思います。

極端に制限された世界観を持つSNS

特定の繋がりを持った個人間で相互に情報のやり取りをするのがいわゆるSNSと呼ばれるものですが、利用者数の増加とともに繋がっている友人の数が多くなってきているのが現状ではないかと思います。少人数の場合には、歯に衣着せぬ“本音”での交流を行っていた人たちも、仕事関係や親族などとの繋がりができることによって、いわゆる建前での交流になったり、あえて“いいこと”しか投稿しなかったり、当初の自由な交流のやり方から大きく変化した人も増えてきているようです。

実は、以前に「Path」という少人数でクローズドなサービスをご紹介したのですが、今回はさらに狭い世界観を持つサービスになります。

そのサービスとは、今年の夏の終わりにリリースされた「Pairy」という名前のカップル専用SNSです。
スマートフォンのアプリをベースにしていて、平たく言うと「LINE」に近い印象を受けるものです。

基本的な機能としては、二人だけの連絡を行える“チャット”や、二人だけの写真アルバムを作れるといったあたりでしょうか。
チャットでのスタンプを使ったコミュニケーションは、まんま「LINE」といった印象です。

そして、二人のそれぞれのプライベートな情報を登録して、二人だけのプロフを作成できます。
この内容を見て思うのが、結婚式の事前準備のようだなぁという点。結婚式での新郎新婦紹介やウェディングビデオなどに散りばめられていそうな情報が、プロフという形で作ることができるのです。

また、情報の共有という点では、一緒に行きたいイベントやレストラン、映画の情報などがPairy上で特集を組まれますので、そこから二人のタイムラインに共
有することができます。あくまでも、カップルという切り口での情報になっている点が、ブレない世界観を作り上げています。

そして、このようなPairy上で生まれた様々なアクティビティが集約されるものとして、二人だけのタイムラインが存在します。
あの時はああだったね、こうだったとね、という二人の世界が小さなスマートフォン上に繰り広げられるというサービスです。

まぁ、客観的に見ると、非常にムズムズと痒くなるサービスですが、若いカップルの方にとっては友達や家族に知られたくない二人だけの想い出を作る場所として、このサービス活用するのは 悪くないように思います。そもそも、恋愛ってそういうものですしね。

ちなみに、登録はFacebookアカウントを使って簡単に作ることもできるので、1から登録するよりも幾分楽に登録できます。

しかし、こういうサービスを見て思うのが、ここまでやって別れたらどうなるのかということです。アカウントごと削除してしまうのか…あるいは思い出の場所として永遠に…。あえて考えない方がいいのかもしれません。

ユーザーニーズに併せたサービスの細分化

このようにSNSという言葉で一括りにしたとしても、非常に多くのサービスが存在しています。少し前にご紹介したかもしれませんが、ヤンキー専用SNS「ヤンキー愛羅武勇」やアマチュア無線化専用SNS「MyShack.jp」など、多くの専用SNSも多くリリースされています。

ヤンキー愛羅武勇

FacebookやTwitterは、いい意味でも悪い意味でも多くの人が利用しているパブリック空間という意識が生まれてきていて、いわゆる表向きのコミュニケーションになる傾向が強くなっています。ただ一部、そういった意識を持たないユーザーによる炎上事件が起きていますが、多くの人が炎上を恐れて「いい子」でいることが殆どです。

MyShack.jp

しかし一方で、自分の趣味や興味のある分野を持っている人、もしくはあまり他人には見られたくないやり取りをしたい人にとって、そういったニーズに特化したサービスというのも、確実に求められていると言えるでしょう。

スマートデバイスが普及し、個人レベルでのオンラインコミュニケーションが当たり前になった現在では、広いターゲットの“マスコミュニティ”サービスと、コアなターゲットの“ミニコミュニティ”サービスに二分化していく流れができてくるのではないかと思っています。

そうしたサービスの多様化を前にして、利用する一ユーザーとしての自覚や分別は当然のこと、ソーシャル化しつつある企業のメディア活用においても、その特性をきちんと理解して行動することが求められていくのではないかと思います。ただ、個人的には別れた相手との思い出が、オンライン上に残っているのはいやですけどね…。