動画はコンバージョンまで完結できるプラットフォームへ

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全インターネット人口の約3分の1を占める10億人以上のユーザーに利用されているYouTube。1日あたりの動画視聴時間は数億時間、視聴回数は数十億回にものぼり、ユーザー数・コンテンツ量ともにWeb動画配信プラットフォームとしてはデファクトスタンダードとなっています。

こうしたYouTube動画から、直接購買などといった、コンバージョンに繋げるために外部のWebサイトに遷移させるために、YouTube動画中にリンクを貼ることができる「アノテーション」という機能がありました。しかし、こちらが今月の2日に新規で追加・編集することができなくなり、廃止となりました。

「YouTube」に変更を加えている最中のGoogleが、今度はYouTubeのアノテーション機能を廃止する。

理由は、モバイルの台頭だ。この変更を発表する米国時間3月16日付けのYouTubeクリエーターブログの記事によると、Google傘下の動画サイトであるYouTube上のアノテーションの利用は70%減少したという。Googleはユーザーに対し、「Cards」(カード)と「End Screens」(終了画面)をインタラクティブな操作に使うことを推奨している。

アノテーション機能は、モバイルへの移行が進む前の2008年に導入された。Googleによると、YouTubeの全トラフィックの60%が現在、モバイル上のものだという。

(CNETJapan 「YouTube」のアノテーション機能、5月2日に廃止へ 2017.3.21)

YouTubeアノテーションの例。冒頭から20秒までの間、画面右上からリンク先に飛べます。

上記の動画でも分かりますが、過去に設定されたアノテーションは機能しますが、現在では新規にアノテーションを作成したり、編集することはできなくなりました。

現在、アノテーションの代わりの機能である、「カード」機能と「終了画面」機能を利用するように促しています。カード機能とは、その名のとおり、再生中の動画の上に、カード形式でスライドして表示させる機能で、動画に関連するwebサイト情報やそのリンクなどの情報を動画再生中に表示させることができます。

カード機能の例。前掲の動画の冒頭から40秒の時点に、アンケートを加えてみました。

アノテーションと異なり、モバイル端末でも表示されたりと、アノテーションよりも進化していますが、アノテーションに引続き、「資金調達」と「商品紹介」 で使用できる外部サービスは限られたもので、任意なものに設定できず、YouTubeが予め認めているサービスしか利用することができません。

「終了画面」とは文字通り、動画の最後の5~20秒に追加できるもので、他の動画や再生リスト、自社のWebサイトなどに誘導することができる機能です。

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終了画面を付け加えるには、既存のアノテーション機能を削除しなければなりません。

インタラクティブ動画制作サービス”Spotful”

YouTube動画に、クリックできる領域を持たせ、インタラクティブな機能をもたせることができる「カード機能」ですが、どうしても自由度に欠け、本来、実現したいことができない場合があります。動画上で自由に情報やリンク・EC機能を盛り込むことができる動画制作サービスが「Spotful」です。

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https://bespotful.com/japan

Spotfulは、動画内の任意の時間や箇所に「スポット」と呼ばれるボタンを設置し、動画内に様々な機能や情報を埋め込むことが可能です。動画内に登場するアイテムに「購買ボタン」を設置し、ECと連携して動画上で購買に結びつけることができたり、FacebookやTwitterなどのSNSのボタンを設置し、動画を見ながらファンを獲得するなど様々な活用方法が考えられます。

ナノ・ユニバース feel in bones コンセプトムービー

上記の動画の場合ですと、動画内に埋め込まれた「スポット」をクリックすると、動画に出演しているモデルが身につけているアイテムの情報を見ることができるだけでなく、そのまま動画上でショッピングを楽しむことができます。

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dトラベル IKOUYO KYUSYU

上記の動画では、クォリティーの高い動画で九州の観光地を紹介していますが、それぞれの観光スポット毎の追加情報が動画上で写真とテキストで閲覧することができたり、動画で紹介された宿の情報や予約先のリンクなどが表示され、そのまま動画上で予約することができます。

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動画はSpotfulのサーバに直接アップロードして公開できるほか、YouTubeやVimeoにすでにアップロードされた動画の上から、ボタン配置などを行ってインタラクティブ性を持たせた上で、別URLを生成して公開することができます。

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YouTubeのアノテーションと比較して、クリックに対するエンゲージメント率は21%向上し、動画をウェブサイトに挿入したサイトの滞在時間は10倍以上長くなったりと、通常の動画に比べて高いエンゲージメント率が出ているのだとか。また、動画を最後まで視聴する人もYouTubeに比べて2倍以上増えており、単純に動画を公開するよりもより良い結果が出ているようです。

 

今後もより注目されていくことが期待されるWeb動画。これまでは写真やイラストのように、情報を説明して伝える、いわゆるひとつの”機能”として使われたり、一つの”作品”として使われてきました。しかし、現在は動画や動画広告の中に、購買ボタンや登録フォームなど、様々な情報を埋め込んで、必要な要素を集約する試みに注目が集まっています。情報を伝えるだけでなく、購買や申込などのようなコンバージョンまでが動画上だけで完結する動きは、今後さらに加速していくのではないでしょうか。