動画を投稿するとお金がもらえる?Facebookの新たな試み

こんにちは、アクトゼロの山田です。
企業がFacebookを活用する場合、なるべくお金を掛けないようにするのであれば、Facebookページを作成してページの運用をするという方法が最も一般的で、逆に、お金を使ってしっかりとコンバージョンを求めようとする場合には、広告メニューを使うという方法があります。

このパターンから分かるように、基本的には無料での利用か、金銭のやり取りが発生したとしても、企業がFacebookにお金を払って自らのビジネスに成果をもたらそうとする方法しかありませんでした。しかし、今後はFacebook自体で収益を生み出すマネタイズの方法が出てくるかもしれません。

 

動画コンテンツをマネタイズ

現在、Facebookは一部のパートナー向けに、動画コンテンツ内に挿入する広告のテスト(広告ブレーク)を開始しています。テストされている最新の仕様によると、通常の投稿だけでなく、欧米を中心にじわじわと広がりつつある“ライブ動画”においても、広告ブレークの挿入が可能になっています。これは、ライブ動画配信者がブロードキャスト(生放送)している最中、任意のタイミングで広告を表示させることができるというものです。

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配信者には、そこで得られた広告収入の一部を報酬として支払われます。ただ当然、広告ブレークを乱発するユーザーを阻止するために、広告ブレークを実行できる条件が決まっており、前提として300人以上の同時視聴者がいることがまず必要で、さらに4分以上配信時間が経過したのちに広告ブレークを入れることができます。また、その後は最低5分以上の間隔を空ける必要があるようです。

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長時間のライブ動画を配信しているユーザーにとっては、広告は文字通りブレークのタイミングとして活用できる上に、広告による収益を得る点から、とてもメリットの多い仕組みかもしれません。

また、直近の動画広告のアップデートでは、外部のオーディエンスネットワークにも動画広告を掲載できる機能の実装も始まっています。これまでは静止画広告に関してのみ、外部アプリやWebサイトといったFacebook外の配信面に広告を掲載できていましたが、今後は動画も配信できるようになります。外部オーディエンスネットワークのメリットは、配信面が拡大することと、それによってCPCやCPMが安価になる点が挙げられます。今後は、こうした恩恵が、静止画広告だけでなく、動画広告でも受けられることになります。

 

良質なコンテンツはメディアの価値を高める

ここ数年、コンテンツとして動画の需要が非常に高くなってきています。例えば、YouTubeなどでは動画配信をして得られた収入で生計を立てるYouTuberという職業も広く認知されていますし、一定の視聴者を獲得すれば、一般のユーザーも副業として成り立つくらいにはなるかもしれません。それほどまでに、動画コンテンツが消費されているのです。

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動画コンテンツの配信者に対して、広告で得た収益の一部を支払う狙いとしては、なによりもコンテンツの質の向上ではないかと考えられます。例えば、前述のYouTubeを思い出してみると、特に世界規模で見た時に、収益を多く得ているであろうYouTuberが配信するコンテンツのクオリティは軒並み高く、収益を還元する効果はしっかりと表れていると言えます。非常にシンプルな話ではありますが、収益を得た配信者はより質の高い動画を配信し、そのファン(フォロワー)がそれを見るためにリピートするという、好循環をもたらしているのです。

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このように配信者に利益を戻すことによるコンテンツの質の向上は、多くのユーザーを集客できるようになり、メディア(サービス)自体の価値を高めることに直結します。さらに言うと、大量のユーザーが来訪することは、広告機会の創出に繋がるため、サービスにとっては新たな収益を生み出すことになるのです。

また現在、SNSやオウンドメディアで配信するためのコンテンツを制作するために、一定規模の費用を掛けている企業は少なくありません。そうした企業にとって、配信する動画コンテンツによってもたらされた収益が、多少なりともその制作費の足しになるとすると、負担も減り長期的な展開も計画しやすいと思われます。この仕組みがどのタイミングで一般にリリースされるかは未定ですが、企業側のコンテンツ制作の負担を軽減するためにも早期でのリリースを期待したいところです。

アクトゼロ / 山田