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注目が高まる『チャットボットマーケティング』の可能性

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LINEやFacebookメッセンジャーなどの”チャット型SNS”がいま、面白くなっています。
その要因は、One to Oneコミュニケーションを実現するチャットボットの台頭。企業のアカウント活用自体は目新しいものではありませんが、最近はより販売に直結したりサービスを向上させたりするためのプラットフォームとして、多岐に活用が広まっています。

そこで今回は、いま押さえておきたい話題の事例と今後の可能性についてまとめてみました。

圧倒的ユーザー数を誇るLINEの活用事例

国内利用者数は6,800万人以上(参照元:LINE 2016年10-2017年3月期 媒体資料)にものぼるLINEでは「LINE ビジネスコネクト」を提供。顧客や商品データベースなどとメッセージ内容を紐づけ、企業とユーザーの双方向コミュニケーションを実現しています。

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LINEビジネスコネクトのしくみ

それでは、LINE ビジネスコネクトを活用した主な事例をみていきましょう。

保険相談が気軽にできる【ライフネット生命保険】

実店舗を持たず、ネット完結で手軽な保険サービスを提供するライフネット生命では、生保業界でもいちはやくLINEビジネスコネクトを活用。
動画にもあるように、「ほけん診断」を押すと対話形式で簡単に保険の参考プランを組むことができ、「保険についてちょっと気になる」という人が非常に手を出しやすい機能となっています。また診断のほかにも、保険プランナーが個別に回答してくれる「ほけん相談」など、しっかり知りたいという層にも応える窓口を用意しています。

2016年にLINE公式アカウントを開始後、LINEによる保険相談の利用者は若年層が8割にも。LINEのみならずFacebookメッセンジャーにも対応を開始し、気軽な相談窓口の裾野を広げていっています。

パン田一郎と楽しくバイト探し【フロム・エー ナビ】

リクルートが運営するバイト求人サービスのフロム・エー ナビでは、マスコットキャラクターであるパン田一郎が大活躍。パン田一郎とLINEで楽しく会話しながら、バイトを探す人も、バイトをしている人にもうれしい便利機能を取り揃えています。

パン田一郎のLINE公式アカウント!|フロム・エー ナビ

パン田一郎のLINE公式アカウントサイトより

また注目すべきは、パン田一郎の会話力。ちょっとした一言にもユーモアたっぷりに返信してくれ、また友達とのグループチャットにも招待して会話できるという多彩ぶり。バイト探しの時のみならず、長期にわたってのユーザーとの関係づくりにも力を入れており、今後も要注目なアカウントです。

パン田一郎の返しをいじってこうした動画を投稿する人も…

お買い物がとにかく便利に【ZOZO TOWN】

【LINE × ZOZOTOWN】LINEでお買い物がもっと便利にもっと楽しく ZOZOTOWN

大人気ファッション通販サイト・ZOZO TOWNのLINEアカウントでは、会員情報と連携し、チェックしたアイテムや再入荷商品などの情報がタイムリーに発信。またLINE Payで支払いもできるため、クレジットカード情報をわざわざ打ち込まなくても済み、ほしい商品がさくっと買える仕組みができあがっています。

現状はまだ会員がみた商品や人気商品、セールのお知らせなどが中心となっていますが、たとえばユーザー好みのアイテムを人工知能が選んでくれるSENSYのような機能が搭載されれば、LINEからの購入もより一層拡大していきそうです。

スタンプを押すだけで残高照会【みずほ銀行】

三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行など、数多くの銀行でLINEアカウントを運用する中、みずほ銀行では実際の口座残高や入出金明細をLINEから調べられる点が非常に特徴的です。

みずほ銀行 LINEでかんたん残高照会

みずほ銀行サイトより

LINEで残高照会というとセキュリティ面がつい心配になりますが、サービス登録はあくまでみずほ銀行側で行うため、登録内容がLINE(株)に提供されるものではないとのこと。
もちろんスマホ自体の取扱いにはより注意する必要がありそうですが、面倒な通帳記入などをしなくても、スタンプ一つで完結するというのは非常に便利ですよね。若年層にとって、メインバンクとする理由の1つにもなりそうです。

Facebookメッセンジャーの活用事例

LINEと比べて機能がシンプルであり、PCやタブレットのブラウザからもアクセスできるため、ビジネス向けに利用されることも多いFacebookメッセンジャー。こちらでも企業のチャットボット利用が増えてきています。

症状を答えて病気を調べられる【メドレー】

医師監修のもと、信頼性の高い医療情報を一般向けに発信しているメドレーでは、メッセージをやりとりするだけで該当する病気を調べられる「症状チェッカーbot」をリリース。

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メドレー公式ブログより

これらは病院での医師の思考プロセスを再現する形で作られているそうで、関連性の高い病気を絞りこむことでより適切な病院選びや処置が可能に。病気についてGoogle検索しても不確かな情報が飛び交う中、こうしたひとりひとりの症状に合わせてアドバイスしてくれるサービスはとても心強いものです。
実際の診断や治療にあたってはまだ医師の存在が不可欠ですが、医療においても今後ますます自動化が見込まれます。

条件にピッタリの商品が選べる【藤巻百貨店】

こだわりの雑貨を取り扱う通販サイト藤巻百貨店ではメッセンジャー上でギフト選びやセミオーダーバッグが可能。
用途や予算の希望などを答えていくと、おすすめ商品を提案してくれます。

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藤巻百貨店サイトより

LINEではなくMessengerで展開する理由としては、Facebookページ自体がファン数24万人以上(2017年3月1日時点)と人気であることやビジネスマンなどの客層に支持されていることなどが関係しているように思われます。

チャットボット活用について今後の予測

膨大なデータベースと紐づけて設計するチャットボットは、開発のハードルがあるとはいえ、今後のSNSマーケティングにおいて一層重要な位置づけとなってくるでしょう。

今回色々と事例を調べてみて、ユーザーとのコミュニケーションが魅力的なアカウントは既に多く出回っていますが、”見つけてもらうまで”の環境整備があまり整っていない印象に感じました。

例えばLINEでは、LINEニュースがアプリのタブに加わるなど情報過多な感が強まってきており、企業アカウントとつながる接点は埋もれていく一方に。
最近の広告事業拡大に伴いスタンプ以外でも公式アカウントPRの広告メニューが拡充したり、ただし企業とたくさんつながって通知が増えるのもストレスになるので、個人と企業のチャットは別々にするなど棲み分けも発生してくるのではないか…なんて予想しています。

またFacebookメッセンジャーでは、LINEとは異なる層にリーチできるもののユーザー数としては差があり、いかにFacebook本体からメッセンジャーまで引っ張ってこれるのかが焦点となりそうです。Facebookページからの誘導機能の追加なども今後現れてくるのではないでしょうか。

今回は上記の2つをとりあげましたが、先日記事で書いたGoogle Alloの日本語対応や、旅行情報サイトExpediaがSkypeのチャットボットを開始など、チャットSNSの活用はどんどん広がっています。プラットフォーム側の対応もふまえ、注目していきたいものです。