その情報は正しいか?導入が始まる「事実確認タグ」がネット社会を変える

201601124

こんにちは、アクトゼロの山田です。
最新のニュースやトレンド情報など、TwitterやFacebookを使って収集する方が増えています。自分の知りたいジャンルやカテゴリ、もしくはアカウントをフォローしておけば、受動的に情報を摂取できるのが何よりも魅力です。新聞社などの大手メディアのアカウントであれば、流れてきた情報の信頼度も高いと考えられるため、安心して情報を受け取ることができます。

しかし、よく考えてみると、信頼度が高いと言っても、大手のニュースメディアでも「誤報」というのは少なくはないはずです。記憶に新しいところでは、アメリカの大手テレビ曲が報道した「アメリカの大統領候補ヒラリー氏の死去」という誤報は記憶にあたらしいところです。このニュースは、その内容の衝撃度から、当然のことながら、瞬く間に世界中に拡散しました。御存知の通り、後に誤報であることは分かったのですが、テレビでの速報ということもあり、その衝撃の大きさは想像に難くありません。

テレビという一定の信頼度を持っているメディアであれば、誤報による影響は当然大きくなります。一方、有象無象が犇めくネットの世界ではどうでしょうか?インターネットというメディアは、テレビや新聞などのマスメディアと比較すると、どうしてもその信頼感に疑問符がついてしまうことは否めません。大手のメディアが運営するサイトであれば、一定の信頼度はありますが、小さなメディアや個人で活動するジャーナリスト等、さまざまな発信者によるニュースが溢れているのが現状です。そうした、ネットニュースの信頼感を高めようという動きが、今、生まれ始めています。

Fact Check(事実確認)タグとは何か?

まず、一番初めに動き出したのは巨人「Google」です。自社のサービスのうち、「Google news」において、そこで発信されるニュースの信頼度を示すために、「Fact Check(事実確認)タグ」という仕組みの導入を開始しました。まずは、米国と英国から導入されています。

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この事実確認タグは、Google news上に掲載されたニュースが事実であるかどうかを、外部の「ファクトチェック機関」と連携して確認を行い、事実に基づいていると判断されると付与されるものです。日本ではこのようなファクトチェック機関はあまり馴染みがありませんが、欧米では一般化しつつあります。

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現在、この「Fact Check」はGoogleのみとなっていますが、誤報があった際に拡散性が高いと考えられるSNSにおいても、その導入を求める声が聞かれるようになっています。特にTwitterやFacebookといった多くユーザーを抱えるサービスでは、ショッキングなニュースやスキャンダラスな情報が爆発的に拡がることも多いことから、ニュースソース・情報ソースの事実確認は、非常に重要だと考えられます。

この流れは、インターネット上の情報への信頼性の向上という視点で、当然の流れであり、今後、Google意外にも急速に拡大することは間違いないでしょう。

いずれ一般の企業も意識しなければならない状況に

今のところ、事実確認タグを付与する仕組みは、ニュース(報道)というカテゴリを中心に考えられていますが、一企業が発信する情報の事実を確認するためにも導入されるのではないかと思っています。昨今、殆どの企業が自社のWebサイトやSNSアカウント上で情報発信しています。そして、その情報は企業によってコントロールされています。

医薬品やアルコール等の特定の法律下で取り扱われるものであれば、該当する法律によってリーガルチェックが入るため、企業のコントロール下にあると言っても、その情報の信頼性においては、一定の安心感があると思います。
しかし、日用品などの特定の法律に依存しない一般的な商材においては、企業が独自に解釈した誤った情報を発信したとしても、その真偽について消費者は確かめるすべがない状況と言えます。そうした場合に、客観的な視点での事実確認タグというのが重要な役割を果たすのではないかと考えています。

今のところ客観的に評価する機関がないため、今、企業としてできることを考えてみると、予め発信する情報の信頼性を担保するデータや根拠をしっかりと明示することなのでないかと思います。こうした動きは企業価値を高めるマーケティング視点だけでなく、企業価値を損ねるリスク視点とも考えられ、長期的な戦略において、必ずしもプラスに働くはずです。

最後はやはり個人の判断に

今後、この事実確認タグという仕組みは、多くの情報であふれる現代社会において、物事を判断するための一つの指標として、無くてはならない存在となる可能性を秘めています。ただ、懸念される点として、その事実確認機関による判断の妥当性の評価が挙げられます。つまり、事実確認タグの信頼性をさらに評価する仕組みも必要になってくるかもしれません。そして、その評価する仕組みを評価する仕組みが必要となって…。

結局、突き詰めていくと、インターネット上に掲載される全ての情報に対し、完璧にその真偽を判断するのは難しいのではないかと思います。ということは、やはり、最終的にはそれを受け取る各個人の判断に委ねられてしまうことに…。そう考えると、事実確認タグはあくまでも、一定の基準において正確な情報”である”といった認識に、留めておいたほうがいいのかもしれません。

アクトゼロ / 山田