SNSの長所をビジネス活用!広がり始める「ビジネスチャット」

ネットユーザーにとって、ソーシャルメディアは既に日常生活において必須の存在になっていると思います。久しくリアルでは会っていない友人と交流ができたり、共通の趣味を持つ友人を新たに探したり、グループを作って次回会う日程などを調整したり…。非常に便利で楽しいWebサービスです。

こうした便利なSNSの機能をビジネスで活用したいと考えたことは無いでしょうか。特に中小企業に勤める友人からたまに耳にしますが、業務連絡でLINEやFacebookを使っているという会社もあるようです。確かにメールより手軽で気楽で電話ほど重くもなくちょっとした連絡や情報共有ができたり、LINEのスタンプなどのようにテキストだけではできない感情表現が可能でよりコミュニケーションを深められたりと、ビジネス活用のメリットはいろいろ挙げられると思います。

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一方で、私用アカウントによるSNSのビジネス活用にはいろいろデメリット・リスクが伴います。フリーのWebサービスで会社の機密事項を共有することの管理・セキュリティの問題だけでなく、上司や同僚と個人のアカウントで繋がってプライベートを覗かれたくないという感情もあると思います。上司という立場から部下に無理にアカウントを繋がせるパワハラの一種「ソーシャルハラスメント」にも繋がりかねません。また、チャットによるやり取りは、フォーマル感・ビジネス感が欠如しているという意見も耳にします。

ビジネスとプライベートの境界線が曖昧な環境の場合、どうしても意識の格差が生じて、それに伴って利用頻度が低くなってしまったりと、本来SNSに期待していた機能性をビジネス活用できないばかりか、トラブルにまで発展する可能性もあります。そのため、企業内でSNSを利用する際にはルールやガイドラインを設けたり、プライベートとは切り離した「ビジネスチャット」のツールを導入する動きが出始めています。

ビジネスチャットでセキュアに業務効率化

既存の私用アカウントによるSNSのビジネス活用には、前に挙げた通り、問題点がいろいろ挙げられます。そこで会社単位で業務の情報共有を行うための「ビジネスチャット」ツールがリリース・導入され始めています。無料のサービスから月額一人あたり数百円の有料のサービスまで国内外から数十サービスが出ています。当社アクトゼロでもビジネスチャットを導入し、日常業務に活用しています。

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株式会社テンダ TEんWA

試験導入を経て複数のサービスを比較検討した結果、TEんWAを今年の5月に本格導入しました。このおよそ半年間のTEんWAの利用を通して、ビジネスチャットツールの利点をいろいろ感じることができました。先日、12月9日に開催されたTEんWAのセミナーで、実際の企業の導入事例としてTEんWA導入で得られたメリットなどについてプレゼンテーションしてきました。

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当社では、外部(クライアント・パートナー会社)とのやり取りにはメールで、チャットツールでは社内の情報共有で利用するように、共有する情報の種別を分けています。これにより、社内共有のメールに埋もれてしまったクライアントの重要なメールの見落としが減るといった効果を生みながら、外部連絡とのすみ分けが実現できました。この点は非常に大きなメリットと感じています。

また、マネージャーの管理面でも効率化が実現しました。就業後の連絡は今までメールが中心でしたが、チャットはスマホで気軽にチェック・返信できるので、手軽に返信できるようになりました。これにより、マネージャーの判断などがすぐに仰ぐことができ、業務遂行のスピードも向上しました。

更に、当初、社内での声がけによる会話が減ることによるコミュニケーションが減少する危惧もあったのですが、実際にはこれまであまり声をかけることが少なかった社員に対しても気軽にメッセージを送ることができ、むしろコミュニケーションが活発になった印象さえ受けます。

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LINEのスタンプ風イラストが便利。当社は若い社員が多く、LINE的なUIも使いやすい。

そして、導入時には、チャットを使う際のルールやガイドラインとして、「ビジネスチャット利用ポリシー」を策定し、具体的にどのような使い方がOKで、何がNGなのかを明確に分かるようにしながら運用しています。弊社が既に認証取得しているISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の枠組みで管理しています。

ソーシャルメディアの優れた情報共有機能をビジネスに活用したい場合、このような専用のビジネスチャットツールを導入することも検討してみてはいかがでしょうか。

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かつては電話とFAXが連絡手段の中心でした。テクノロジーの進歩により、そこにインターネット・メールが中心に代わり、そしてSNSによる連絡・情報共有がされる時代になりつつあります。時代によってコミュニケーションの形は変化し、より便利なものに取って代われていきます。重要なのは円滑かつ効率的に、上司・部下・同僚間でコミュニケーションを最大限取ることではないでしょうか。こうしたビジネスチャットツールはその一助になると思います。