大企業的戦略ではない!ローカルビジネスにおけるFacebook活用

最近は、大手の企業やメジャーな製品だけでなく、飲食店や美容院といったローカルビジネスでのFacebook活用が多くなっているように思います。
当然ではありますが、ローカルビジネスでは、大手企業が取り組んでいるソーシャルメディアでの戦略とは異なった視点が必要になってきます。

というわけで、今回はそういったローカルビジネスでのソーシャルメディア活用について取り上げてみたいと思います。

実名でコミュニケーションを取るという前提

ローカルビジネスでFacebookで活用する際に大きな前提となるのは、やはり実名制のSNSであるという点に尽きます。
この点は、大企業であろうが商店街のお店であろうが、変わることのない前提ではあります。

しかし、ローカルビジネス(この場合は何らかのお店と仮定)の場合は、大手企業のものより、個人の行動履歴と結びつきやすい点が大きいという特徴があります。

例えば、○○駅前の居酒屋「○○」に「いいね!」したユーザーは、そのお店のお客さんである可能性が非常に高いと考えられます。
さらに、同じ○○駅にある美容室「○○」に「いいね!」したとすると、そのユーザーが○○駅近辺を行動範囲としており、お酒を飲むのは居酒屋「○○」で、髪を
切るのは美容室「○○」といった風に、個人のユーザーの行動と密接に結び付き、そういった行動の履歴が、そのユーザーの友達に伝わることになります。

ここで何がポイントになるかというと、すべてのローカルビジネスが必ずしもソーシャルメディアを活用することが正しいと言えないということです。

美味しいイタリアンやフレンチ等は、友達に共有したいと思うかもしれませんが、クラブやバーは友達に知られたくないかもしれません。
また、どこどこで髪を切っているであるとか、どこどこのネイルサロンに通っているであるとか、女性にとって「美」に対して頑張っているということは、秘密
にしておきたい場合が多いでしょう。

このように、ローカルビジネスの場合は、ユーザーの行動と紐付きやすいという点で、その営業形態がFacebookの活用に適しているかどうかを見極める必要があります。

実際に、多くのお店のFacebookページが立ち上がっているものの、「いいね!」の獲得やコミュニケーションの面でうまくいってないケースが多く見受けられます。

何を目的とするのか?

ローカルビジネスでFacebookを活用する際の目的として第一に考えられるのは、ズバリ常連客の囲い込みではないでしょうか。そして、その次に新規顧客の獲得でしょうか。

そもそも、ソーシャルメディアの特徴として挙げられる「個人の繋がり」という関係性を考えると、その繋がりの中の一つ、友達のレベルに近い形として、お店を捉えていただくことが第一の目的と考えられます。そして、常連客の友達というような、常連との強い繋がりの先で、新たな集客を目指すことが重要だと思われます。

常連客とつながり、お店の情報を通じたコミュニケーションをオンラインで行うことで、来店の頻度を高めることを目標としたり、クーポン機能を利用して友達との来店によるインセンティブをプレゼントすることで、新規顧客の獲得を目標としたり、店舗があるという強みを最大限に生かしましょう。

小さなコミュニティの一員として馴染みやすい

このようにローカルビジネスの場合は、その規模感や実店舗があるという強みから、顔の見える相手としてソーシャルメディア上で身近に感じていただける傾向があると考
えられます。

大企業の担当者Aさんよりは、駅前のお店の店長Bさんの方が、親近感を持って接することができる、これは非常に大きなアドバンテージだと言えます。
このように、リアルでの関係性に基づいたソーシャルグラフを持つFacebookだからこそ、ローカルビジネスにおけるリアルな繋がりが生きてくることは必至です。

「いいね!」の数や不特定多数のファンとのエンゲージメントと言った企業のソーシャルメディア戦略とは異なる、新しい形がこれからどんどん生まれてくることは間違いなさそうです。