コンバージョンを生み出す魔法のスパイス – 後編

eyec

こんにちは、アクトゼロの山田です。
先日の記事では、コンバージョンまでにおけるユーザーの行動プロセスやその際に必要なモチベーションの連鎖という点について考えました。
マーケティング、もといプロモーション戦略においては、消費者への注意を惹いたり、新たな気付きを与えたり、といったきっかけを作ることは非常に要素であり、中でも急成長を続けるデジタル領域においては最終的なコンバージョンまでしっかりと見据えたものでなければなりません。

多様化する商品を伝えるストーリー

マーケティング戦略の立案にあたって、目的となるコンバージョンをしっかりと生み出すためには一貫した“ストーリー”を練り上げる必要があります。この「ストーリー」というものが、まさに魔法のスパイスとも呼べるもので、成否を左右すると言っても過言ではありません。

そして、ストーリーというのは少々やっかいで、対象となる消費者の属性を見極めた上で最適なものを組み上げなければならないという、多様化の様相を呈しています。

例えば、ドイツの自動車メーカーが作成した商品のプロモーションムービーでも、そうしたターゲットに最適化したストーリーが取り上げられています。

ひとつめの商品の対象者は、年齢層の高い富裕層で、言うなれば従来型のストーリーテリングが取り入れられており、新しい機能が“テロップ”入りで要所要所でアピールされています。言うなれば、売りとなる機能を伝えることで購入意欲を高めようとするものです。

一方、比較的若年層をターゲットとするこちらの商品は、商品のあからさまな機能アピールは一切行われておらず、商品がもたらす、ガールフレンドや友人たちとの楽しいトリップや沢山の荷物を積んで山に海に湖にと、アクティブなライフスタイルをもたらすことが表現されています。なんなら、友達をタグ付けしてFacebookに投稿するシーンがあってもおかしくない雰囲気です。

ソーシャル時代に必要なのは付加価値を感じさせるストーリー

こういったストーリーの多様化をもたらしたのは、ソーシャルメディアであると考えられます。ソーシャルメディアによって変わったのは、一般の消費者であっても情報発信の主体となる時代になったということです。すなわち、人から見られることを意識し始めた時代という事も言えます。つまり製品の購入によってもたらせられる価値を多角的に捉え始めたことにより、直接的な購買モチベーションである価格や機能だけではなく、製品の持つ付加価値が重視されるようになりました。そのため、ただ単に機能的なアピールだけでは、十分に効果(コンバージョン)を生み出すことが難しくなったと考えられます。

機能や価格はプリミティブなモチベーションではありますが、最近高い成果を生み出しているソーシャル広告で受け入れられているのは、あくまでも製品を含んだ世界観を中心に置き、「その製品を買った自分」を想起させるストーリーを提供し、付加価値を伝えることによってモチベーションを生み出しています。

前述の事例を考えると、ブランドのイメージで大きなアドバンテージのあるBMWでさえ、ブランドとしての一貫した訴求ストーリーから、商品ごとにそのストーリー内容を柔軟に変えるという手法に転換してきています。

このように、マーケティング戦略をプランニングする際の基本は消費者の生活スタイルや価値観をしっかりと捉えること。ブランドの一方的なストーリーの押し付けだけでは、成果を生み出しにくくなってきているのです。ソーシャルメディアによってもたらされたライフスタイルの変化は、引き続き、ダイナミックな変化を生み出すことが予想されます。“今”購入に結び付く消費者の価値観は何なのか、その価値観を見極めて戦略のストーリーを描くことが求められています。

アクトゼロ / 山田