「LINE」で企業アカウントが開設可能に

最近、何かと話題のコミュニケーションアプリ「LINE」が、企業向けの「LINE公式アカウント」のサービスを開始ました。
ソーシャルメディアとはちょっと異なるコミュニケーションツールではありますが、ビジネス利用可能となった点から、今回は取り上げてみようと思います。

「LINE」とは

そもそも「LINE」とはなんなのかということから。既にテレビCMなどでご存じの方も多いと思いますが…「LINE」とはスマートフォンで無料通話や無料メールができるアプリになり ます。国内の利用者数は1,800万人、全世界で4,000万人の利用者を獲得しています。

このアプリを提供しているのは、「NAVER」を運営しているNHN Japan株式会社で、ネイバージャパン株式会社と株式会社ライブドアが経営統合してできた会社です。

少し話が脱線してしまいますが、サービスの中では「NAVERまとめ」が有名で、2012年5月に企業向けに「公式まとめ」のサービスを提供を開始しています。早速、SUBARU(富士重工業株式会社)が「公式まとめ」を利用していますので、ご紹介します。リリースによると「価格:3ヶ月 1000万円~」という金額で、なかなかの価格…と思っ てしまいました。

SUBARU公式まとめ

企業アカウントの見えかた

さて、ここからが本題、「LINE」の企業公式アカウントについてまとめてみたいと思います。

今回の公式アカウントのサービスの登場で、企業が「LINE」内にアカウントを持つことができるようになりました。そのアカウントを使用し「トーク」という機能を利用することでユーザーに情報をプッシュできるようになります。

ユーザー側からは、「友だち追加」という項目の中で、情報を受け取りたい企業アカウントを追加するだけです。
企業アカウントからの情報を見たい場合は、「トーク」という項目から該当するアカウントを選択することでメッセージを見ることができます。

「トーク」という機能の中にあるため、双方向でのコミュニケーションができそうな印象を受けますが、基本的には自動応答するbotによるメッセージを受信するのみです。

また、プレスリリースによると下記の企業アカウントの運用が始まっており、今後クーポンなどの配布を行うことがアナウンスされています。
 

「コカ・コーラ オリンピック応援 アカウント」(LINE ID:#cocacolajapan)
「ローソン公式アカウント」(LINE ID: #lawson)
「すき家公式アカウント」(LINE ID: #sukiya)
 

そして、気になるアカウントの開設費用なのですが、以下の金額が発表されています。
 

LINE公式アカウント:初期費用200万円、月額150万円~

こちらも少々強気の金額…ですが、全世界4,000万人・国内1,800万人というユーザーを抱えていることの捉え方という気もします。
また、「LINE」はソーシャルメディアではないと、リリースの中で下記のような述べられています。

 
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企業においては、LINEが抱える世界4,000万人・国内1,800万人のスマートフォンユーザーに対して潜在的にリーチすることが可能となるほか、常時携帯・常時接続というスマートフォンの特性を活かし、場所や時間を選ばず、リアルタイムに情報を配信することができるようになります。TwitterやFacebookなどタイムラインによるフロー型の情報配信を主としたSNSと異なり、配信した情報はプッシュ型で直接ユーザーに通知されるため、高い閲覧率を期待できるのが特徴です。
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人がいるところに情報を流通させる(リーチ)という意味では、アクティブなユーザーが多く存在する「LINE」は大きな力を持っていると考えられます。
ただ、ユーザー同士のコミュニケーションツールとして使われているサービスの中に存在する、基本的には一方通行である企業アカウントの“違和感”を、どうしても感じてしまいます。

ともあれ、まだまだ企業アカウントが少ない現状で、競合他社が始める前に「友だち」を獲得しておくことはやぶさかではないかもしれません。
しかし、とりあえず始めてみるには、導入費用がちょっと高すぎる気がしますね…。