訪日インバウンドマーケティング – 2016年の焦点は観光客の帰国後?

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こんにちは、アクトゼロの山田です。
お仕事をされている方の多くはあと一週間ほどで仕事納めでしょうか?2015年もいよいよ終わりに近づいてきました。今年、大きく注目されたものの一つに、訪日観光客の大量消費(いわゆる爆買い)が挙げられます。

そもそも、政府は2020年に向けて、2000万人の来日を目標に掲げていましたが、すでに1月~10月までの訪日者数は1600万人を記録しており、2015年ですでに2000万人と言う目標の達成が現実味を帯びてきました。それを受けて、2020年の目標を3000万人に上方修正する動きも出てきています。

マーケティングの視点では、2015年は多くの企業が「訪日インバウンドマーケティング」に取り組み始めた元年とも言える年で、アクトゼロでも様々な企業のお手伝いをさせていただきました。

2015年のマーケティングトレンド

今年のインバウンドマーケティングの多くは中国からの観光客を対象としており、日本旅行を計画する時期や日本に滞在している時期を想定したものが殆どでした。
主な手法として、下記のようなものが多かった印象です。

  1. 旅行ガイドブックへの露出
    旅行の予定を立てるために購入するガイドブックへの掲載。直球な手法ですが、最近ではフリーペーパーなどもあるため多様化しています。
  2. インターネット広告
    当然、旅行の前には下調べをインターネットで行います。そのため、旅行者が訪れるサイトへ広告を掲載したり、行動履歴を元にしたディスプレイ広告を活用してアプローチすることは有効です。
  3. SNSでのクチコミ
    ①②だけでなく、日本と同様に、実際に体験した人や購入した人のクチコミを参考にします。特にSNS等で影響力のある人に取り上げてもらうことができれば、多くの認知を獲得できます。
  4. 店頭の売り場づくり
    すでに来日している観光客に対しては、外国語対応のできる販売員の配置や、外国人観光客に特化した店舗の出店など、街中を歩いていると日本語以外の表記を多く目にするようになりました。

このあたりの内容は過去の記事「中国人観光客の攻略で重要な2つの“○○期”」もご参考ください。

2016年は帰国後の取り組みが焦点に

基本的に2015年のトレンドは、上に挙げたように来日前に「認知してもらう・検討してもらう」ことと、来日中に「買ってもらう」ことが中心になっています。中国からの観光客の多くは、旅行前に旅程や購入する商品をすでに決めていることが多く、「買い物リスト」といった予定に入れてもらうことが非常に重要です。ただ、今後はこの流れは確実に変わってくるものと考えられます。その考えられるひとつの流れが、「帰国後」のアプローチです。

そういった流れが生まれてくる要因として、すでに旅行で日本に訪れた人が増えてきている点が挙げられます。例えば、今年一年の中国人観光客は500万人に迫る数となっています。その500万人の中国人が、日本に旅行中に買った商品が良かった場合、再び日本旅行に訪れた際に同じ商品を買おう、もしくは日本旅行の予定はないけれども自国内で同じ商品を購入したいという意向が、当然ながら生まれてきます。次の来日時に再び購入したいと考えるユーザーに対しては、すでに購入する確率が高いわけで、積極的なアプローチをしなくとも購入に繋がります。しかし、来日予定の無いユーザーにとって、いかに商品を買える仕組みを整えるかと言うのは重要になってきます。

すでに現地法人があり、商品が流通していれば大丈夫ですが、そういった企業はまだまだ限られています。
そこで注目されているのが「越境EC」です。この「越境EC」自体は言葉としてはすでに多くのところで目にしたり、耳にしたりする言葉でありますが、現状ECサイトを持っている企業であれば比較的参入がしやすく、日本国内を基盤にしながら取り組めるのも大きなメリットです。この越境ECに対する注目は、2016年以降急激に高まっていくと考えられます。

また、最近は代理購入など、日本にいる中国人が日本国内の店舗に出向き代理で購入し、中国へ送るという動きも増えてきています。日本製紙オムツがドラッグストアで手に入りにくくなっているのは、この代理購入の影響と言われています。この代理購入については、違法な代理購入により逮捕者が出たというニュースも一時話題となりました。これは主に在留資格に絡むもので、「留学」で日本に滞在している人が、本来の滞在目的とは別に「収益」を上げている等の事情があったようなのですが、このニュースを見た人にとっては、代理購入自体が違法という認識を持ってしまったかもしれません。そういった点を考慮すると、越境ECという正面からのアプローチが主流になりそうな気がします。

2015年のトレンドワードでもあった「訪日インバウンド」。来年も引き続き、この盛り上がりは続きそうな情勢です。2016年は2015年の実績を元に新たな取り組みが求められる年になりそうな動きが大きくなっています。あくまでもマーケティングの視点においては、消費者の行動を軸にアプローチすることが原則ですから、2015年と同じアプローチでいいのかどうか、常に効果を検証しながら取り組んでいく必要があることは間違いありません。

アクトゼロ / 山田