フォルクスワーゲン問題、日本のFacebookページでは何が起きてたか?

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こんにちは、アクトゼロの山田です。

ドイツの自動車メーカー「フォルクスワーゲン社」の不正ソフトウェアに関する話題は、世界のトップシェアを競う企業規模であることも相まって、今最も注目されているニュースのひとつです。
全容が明らかになるにつれ、単なる不具合ではない犯罪としての側面が色濃くなり、世界の国々を巻き込んだ大問題に発展してきています。当然ながら、クルマという生活に密接に関連したものであることから、多くの人にとって非常に関心の高いニュースとなっています。

企業の不祥事において、ここ最近、注目されているのがSNSでの対応です。企業と消費者が直接接点を持つ場であることから、その後の企業の運命を左右すると言っても過言ではありません。ここでは不正問題自体の話題ではなく、フォルクスワーゲン日本法人のFcebookアカウントで何が起き、どのような対応がなされているのかを見ていくことで、インシデントに対するソーシャルメディア上でどうアクションするべきなのかを考えてみたいと思います。

Facebookのファン数は20万人

ここ日本でも、知名度が高く人気も高いフォルクスワーゲンですが、Facebookでも多くのファンを獲得しています。
現時点でのファン数はおよそ20万人となっており、同じドイツメーカーとして有名な「メルセデス・ベンツ」(17万人)や「BMW」(17万人)よりも多いというと、その人気の高さが伺えます。

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事件の発覚は18日で米国で報道されたことに端を発します。その後、フォルクスワーゲン社が認め、情報が徐々にリリースされていったのが20日頃というところで、9月20日前後からフォルクスワーゲン社に関する報道が世界中を駆け巡っていることになります。

その前後、日本のFacebookアカウントでは、18日にキャンペーン、21日に「敬老の日」に絡む投稿が行われています。敬老の日の投稿は、恐らく本国での正式発表より前、もしくは発表後でも情報のエスカレーションが間に合わず、予約投稿で公開されてしまったのではないかと思います。

 

世代を超えて、走る楽しさを分かち合う喜び。#敬老の日

Posted by Volkswagen Japan on 2015年9月20日

グローバル企業であり、時差があることを考えると、不正発覚後にも投稿が起こってしまったのは幾分仕方ないことのように思いますし、日本では19日からシルバーウィークだったということもあって、日本法人内でもうまく連携が取れていなかった可能性もあります。

ただ、21日の投稿を最後に、通常の投稿は一切行われていません。

それから1週間後の25日に、「不正の解明」に向けて全力で取り組むという投稿が行われています。
同時に日本には該当モデルが輸入されていないことも伝えることで、沈黙を破ります。

 

先般の報道により既にお聞き及びのことと存じますが、現在フォルクスワーゲンでは、ディーゼルエンジンに搭載されている特定のソフトウェアに関する不正の解明のため全力を挙げて取り組んでいます。当該ディーゼルエンジン搭載モデルの日本への正規輸入車両…

Posted by Volkswagen Japan on 2015年9月24日

その後、翌日26日に人事に関する情報の配信、10月1日に“代表取締役”名での声明が発表されています。

 

フォルクスワーゲンの報道について、フォルクスワーゲン グループ ジャパン代表取締役スヴェン シュタインよりお客様へ。——————————お客様各位このたびは、フォルクスワーゲンのディーゼルエ…

Posted by Volkswagen Japan on 2015年9月30日

記事を執筆している10月8日午後の時点では、それ以降の動きはなく再び沈黙しています。

ファンからの反応はどうだったか?

まず、上記の投稿に対してファンからどのように反応があったのかということですが、当然ながら「いいね!」は多くありません。
通常の好意的に受けられる投稿の場合、6千~1万ものいいね!が付いているページですが、事件に関する投稿では1千~3千程度のいいね!に留まっています。その数千のいいね!も、当然ながら“不正”に対していいね!という感じではなく、激励する意味合いが強いように感じます。

一方、コメントの数は格段に多く、通常100にも満たないコメントのところ、発覚前後18日の投稿では600近く、25日の投稿では300を超えるコメントが寄せられています。

 

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Posted by Volkswagen Japan on 2015年9月17日

そのコメントの中身はどうかというと、思いの外、過激な批判が殺到しているようないわゆる“炎上”に近いものとは少し違っており、「対応への不満」や「不信感」というのを表明するファンがいる一方、「しっかりとした対応を望む」や「好きなのは変わらないから、がんばって」といったようなコメントも数多く見受けれらます。
コメント全体を見回してみると、真相究明を求めるものと、メーカーに対して激励するものが多数を占めていることに気付きます。
該当車種が日本に導入されていないことも大き関係しているのではないかと思いますが、これまでに築き上げてきたブランドや製品に対するユーザーロイヤルティも多分に影響していると考えられます。

もし自分の会社が同じようになったら?

仮に自分の会社が規模の差はあれど、同じような状況に陥った時に、どのようにすればよいのでしょうか?
実は、このフォルクスワーゲン社の対応は、企業のアカウントとしてポイントがしっかりと抑えられたものになっています。そのポイントは以下の3つです。

1.問題発生後には速やかに通常の投稿は停止
問題に触れずに通常の投稿をすることは考えられません。
まずは、速やかに通常の投稿を停止し、予約している投稿も取り消すことが重要です。

2.会社としての正式な声明のみ投稿
問題に対する会社として正式な声明のみ投稿を行います。担当者の個人的なコメントや不確かな情報を投稿することは、絶対にあってはいけません。

3.継続的に進展を公開
新たな情報や進展があった場合には、都度投稿を行います。
その都度、実際の状況を公開することで、しっかりと問題に対応していることを伝えなければなりません。

冒頭でも述べましたが、ユーザーと直接つながることができるSNSだからこそ、その特徴を理解して、しっかりとした対応を行うことが大切です。
ただ単に一方的な情報発信だけではなく、寄せられたコメントをきちんと見ながら、情報として足りていない部分や説明不足な点等、次の行動を考える際の参考にもなります。
万が一の時にどうするべきか、今回のフォルクスワーゲン社の対応から学ぶべき点は多分にあるのではないでしょうか。

アクトゼロ / 山田