「ECサイト向けFacebookクーポンの可能性」と「楽天によるPinterestへの資本参加」について

ソーシャルメディアインサイトをお送りします。アクトゼロの黒沼です。

今日は、ソーシャルコマースの最新ニュースをふたつお送りします。
僕はもともと直接的なソーシャルメディア(特に実名のFacebookなど)のEC活用については否定的でした。実名ソーシャルメディア上で物を購入することを、誰もが自らシェアしたいわけではないと考えているからで、それは今でもかわりません。自ら進んで「友達に買ったものを紹介したい」というのは、一般に思われているよりも、本当にレアなケースなのです。自分が好きなものを同じように愛せる人が、自分を取り巻くソーシャルグラフの中にどれだけいるか想像してみれば、わかるはずです。たとえどれだけ仲が良くても、自分と完全に同じ趣味の人物がソーシャルグループの中に何割いるでしょうか?仮に2割居たとして、多くの人は残り8割の人に遠慮して、シェアすることをためらうでしょう。(よければ、以前書いたこちらのエントリーをどうぞ。→ソーシャルコマースで商品情報をシェアさせるということ

そのあたりの理由から、ソーシャルメディア上に単に決済機能(+シェア機能)をもたせるだけでは、ソーシャルコマースは成立しないとお伝えしてきました。しかしここ数日で、ソーシャルメディアを使ったEC促進に繋がりそうなニュースが出てきましたので、ひとつずつご紹介します。

ECサイト向けFacebookクーポンの登場

Facebook、eコマース向け”Offers”クーポンをテスト中。リアル店舗だけではない

techcranchによると、Facebookは今年4月より提供している、リアル店舗向けFacebook Offers(Facebookクーポン)に加え、ECサイト向けFacebookクーポンの提供を予定しているとのことです。

Facebook Offers(クーポン)についてはこちらの動画をご覧ください。

 Ecommerce Offersは、実店舗のOffersでレジ係の教育が必要なことを考えると、企業にとってさらに簡単だ。既にeコマースサイトの多くは、チェックアウト時に割引コードを入力する場所を用意している。もしユーザーがクーポンを共有することを企業が望めば、Facebookは割引コードを無限に発行することができる。あるいは、企業が「ファン・オンリー」にして自社ページの「いいね!」を促進したければ、Facebookはユーザーごとに固有の一回利用のコードを発行することもできる。

Facebook上にブランドページを持っている企業が、必ずしもリアル店舗を持っているわけではないため、ECサイト向けのクーポン発行はより重要な機能となりそうです。ECサイトのメルマガによる顧客管理・セール時の顧客動員に加わる、新たなプロモーション機能となる可能性を秘めています。ECサイト上で何を買ったかはシェアしにくくても、シェアされた側にも利益のある「割引クーポン」という形であれば、シェアは促進される可能性があります。よりECサイトにとって、Facebook上のブランドページの存在の重要性が増すことでしょう。

日本国内での実店舗での導入については、ソーシャルメディア集客ラボの押さえておきたいFacebookクーポンを成功させる7つのポイントがよくまとまっています。現在箱根強羅温泉のクーポンなどは、5万人を超えるユーザーにシェアされています。実際に訪れるユーザーはそれほど多くなくても、こうして「あ、温泉行きたいな」と思わせるそんな魅力を持ったクーポンであれば、シェアされるだけでブランドページの知名度向上にもつながるので、発行しない手はないですね。ブランドページの管理人であれば無料出発行できます。

楽天がPinterestに出資、Pinterestの主要投資家に

2012/05/17 米allthings digitalによると、楽天がPinterestへ大規模投資をはじめるようです。時期投資ラウンドにおける投資額で主要な位置を占めることになります。

Japan’s Rakuten Wins the Heart of Pinterest in $120M Funding Round – Liz Gannes and Kara Swisher – Commerce – AllThingsD 

これにより、ECサイトとの相性の良さでしられる画像共有SNS「Pinterest」と、楽天の関連性が強まり、Pinterestの国内ローカライズも進むことが予想されます。また同時に、楽天の英語圏進出の足がかりとしてもPinterestは有効に活用されるでしょう。PinterestがECサイトと愛称がいいのは、Pinterestの主要ユーザー層が女性で、主に取り上げられているテーマが、ファッション・インテリア・食などライフスタイルにまつわるものだということです。魅力的な洋服や日常生活に役立ちそうなアイテムが多く共有されていて、それらの画像から、画像引用元のECサイトへのトラフィックが生まれているというのが、米国における現状です。

楽天は、「楽天お買い物部」という名前でPinterest上に公式アカウントを開設しています。

Rakuten Ichiba (rakutenjp) on Pinterest 

楽天市場内の商品を日本語で紹介するアカウントですが、Pinterestユーザーに受け入れられそうな見栄えのいい画像を選んで構成されています。

PinterestがECサイトと相性がいいサービスとはいえ、いまはまだあくまで米国内での話です。UIもまだ日本語化されていない状況なので、日本語ローカライズ後に日本国内にどのようなユーザー層が出来上がるかに注目です。
Pinterestに日本人ユーザーが増加していけば、楽天を利用していないECサイトにとってもPinterestの重要度が増すことに違いありません。楽天の資本参加で、日本のECにおけるPinterestの存在意義は大きくなったと考えられるのです。

まとめ

ECサイト向けFacebookクーポンや、Pinterestの有効活用などECサイトにとってキーとなりそうなニュースを紹介しました。

「ユーザーにとって、フレッシュでメリットのある情報があればシェアされる」
この当たり前の事実に、ソーシャルコマースを成功させるヒントがありそうです。売る側からだけではなく、買う側の気持ちになって、更にはシェアする側の気持ちになって、ソーシャルコマースをすすめていきたいですね。