診断アプリを過去のものにした、「g.u.ジーユー銀のイスに座れ」キャンペーン徹底解剖

g.u.銀座店 PRESENTS「銀のイスに座れ!」 http://gu-ginza.com/

ソーシャルメディアインサイトをお送りします。アクトゼロ黒沼です。
今回は、g.u.ジーユー銀座店オープン周知のための、ソーシャルメディアキャンペーン「<ジーユー史上最大の椅子取りゲーム>銀のイスに座れ!」について徹底解剖してみます。
個人的にこれはとても意味のあるキャンペーンだと考えています。このキャンペーンの登場が、過去ソーシャルメディアアプリで多く見受けられた、いわゆる「診断アプリ」一色だった状況を変化させるきっかけになるものなのではないかと考えています。

どこが評価すべきポイントか

僕が新鮮だと感じたポイントは、このキャンペーンが過去の診断アプリと比べて「参加プラットフォーム(PC・スマホ両対応)や、SNSを選ばない作り」「ファン(フォロワー)であることの継続率を高める」「タイムライン上にどれだけ露出していられるか」をとても良く考えられて企画されている点です。

キャンペーンルールについて

キャンペーンルールは至ってシンプルです。キャンペーンページムービー冒頭で示される一枚の画像に集約できます。こちら。
参加するにはソーシャルメディア(Facebook、Twitter、mixiのいずれか)のアカウントを使って、アプリの利用登録が可能です。Facebook、Twitter、mixiの各公式アカウント上のタイムラインで、同時刻に椅子取り用のURLが投稿されます。早押しで「銀のイス」を獲得することに成功すれば、一定数(非公開)に3/30にオープンするg.u.ジーユー銀座店用の、500円クーポンが提供されます。銀のイスをいくつ集めても、500円クーポンは一度しか使用できませんが、集めた椅子の数によって店頭で抽選で当たる5,000円クーポンの当選チャンスが変わります。抽選はスマホをもって店頭に行くことで行われます。O2Oキャンペーンでもあるわけです。

参加プラットフォーム(PC・スマホ両対応)や、SNSを選ばない作り

キャンペーンサイトは、スマホからも同様の見た目が保たれています。加えて、主要3つのソーシャルメディアの最もプリミティブな機能「タイムライン(ウォール)」部分のみを使用していることに注目です。例えばFacebookの場合、ブランドページの機能として、スマートフォンからアクセスできるのは、アクティビティ・ウォール・基本データ・写真のみで、オリジナルで作ったタブ(メニュー)のウェルカムページなどは、メニューに現れません。これまでの「診断コンテンツ」では、PCからの利用を前提として設計されていましたが、このキャンペーンは企画の設計次第で従来諦めていたスマートフォンからの利用者も巻き込めるという可能性を提示しました。

ファン(フォロワー)であることの継続率を高める

キャンペーンは、スタートから3/30日までの期間、継続して行われています。椅子取り開始のも号令がかかるのは1日2回程度でランダム時間です。椅子取り合戦に成功してイスを集めれば集めるほど、オープン当日の抽選に当選する確率は上がります。結果的にキャンペーン期間中参加者は、フォローやファン関係を解除することなく、情報を受け取り続けることとなります。Facebookの場合であれば、いつ号令が来るかがわからないため、号令を見逃したくないユーザーはキャンペーンからのアップデートを優先して表示する設定を行うかもしれません。

診断コンテンツのように、ただ一時的にファンを集めるだけではなく、期間中の継続した関係性を保つことを重要視した、キャンペーン設計となっているといえます。

タイムライン上にどれだけ露出していられるか


ユーザーが椅子取りに参加して、URLをクリックするたびにその抽選結果が、成功の場合も失敗の場合も参加ユーザーのタイムライン上に投稿されます。これにより、そのユーザーの友人関係にも広くキャンペーンの存在を周知させることができます。
「椅子取り成功!」の場合には、いいね!などのポジティブなレスポンスがつき、「椅子取り失敗…。」の場合でも、「○○ってすごい参加してるよね」のように、コメントを集めやすい投稿内容になっている点も実に巧妙です。1日数回の椅子取り号令というのも、とても有効な頻度です。Facebook、mixi上で鬱陶しがられず、常に目に止まるていどの頻度であることが言えます。(Twitterではすぐ流れちゃいそうですが…)

まとめ

「診断アプリを過去のものにした」というタイトルでお送りしましたが、ジーユーのこのキャンペーンは、これまでの漠然とファンを集めるだけのキャンペーンと違って、目的がとても明確であるということが言えます。1つめの目的は、3/30にジーユー銀座店がオープンするということをアプリ参加者に、期間中常に周知し続けること。2つめの目的は、アプリで集まったユーザーを実際に店舗に来店させること。

ただファンを集めることだけに集中した「診断アプリ」をよしとせず、ソーシャルメディアのキャンペーン利用には、こんなやり方もあると、高い企画力と新しいチャレンジを見せた、素晴らしいキャンペーンだったと思います。拍手!