「無料動画」で音楽を聴くスタイルがより顕著に~ニコニコ動画音声再生アプリ「NicoBox」がリリース

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先日、1月8日、ドワンゴはiOSアプリ「NicoBox」をリリースしました。

  

このアプリは、ニコニコ動画の音声再生に特化した動画プレーヤーで、他のアプリ等での作業中もバックグラウンド再生が可能だったり、ランキングや検索からお気に入りの動画を見つけて、自分だけのプレイリストを作成することができます。しかも、ニコニコ動画のアカウントが無くてもインストール・使用が可能であり、既存のniconicoアプリと比べると、より手軽にニコニコ動画の音楽を楽しめるアプリです。

このアプリは、もともと外部の開発者が公開していたものを、ドワンゴが取得し、公式のものとして公開したのだとか。それだけ需要と人気があったものであるといえるのではないでしょうか。

実際、試しに私も使ってみましたが、直感的に使いやすく、ニコニコ動画から動画を選ぶだけで簡単に再生リストを作成することができ、また画面をオフにしてもバックグラウンド再生されるので、移動中などでもスマートフォンを音楽プレーヤー感覚で使うことができ、非常に便利なアプリだと思いました。このアプリはニコニコ動画が対象ですが、同様の機能のあるアプリでYouTube用のものも多数存在しているようです。

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しかし、こうしたアプリが支持されていることは、現在の音楽ユーザーたちが音源を楽しむスタイルが変化していることを象徴しているように思えます。

「無料動画」で音楽を聴くスタイル

以前、本サイト記事で、最近の音楽を聴くスタイルの主流は「無料動画を音源としてPCやスマホで聴く」形に変化していることをご紹介しました。(2013.6.13 「PC/スマホ」で「無料動画」を利用して音楽を聴くスタイル) その後の調査で、この傾向がより顕著に変化しているデータが発表されています。

2014年3月に、一般社団法人日本レコード協会から発表された「2013年音楽メディアユーザー実態調査 報告書-公表版-」。この報告書の中で、”楽曲の最終的な入手手段”を示すグラフが以下になります。アーティストに対する興味度合いを3つのカテゴリーに分け、2012年と2013年での変化を表しています。

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 CD購入層や無関心層の割合はほぼ変わらないものの、3カテゴリー共に、無料動画配信サービス視聴が大幅に増加していることが分かります。特に、関心が薄いアーティストになるほど、その傾向が顕著に現れているといえます。

音楽を視聴する際に用いる機器についての調査結果が以下のグラフになります。

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屋内と屋外のシチュエーション別の調査になります。屋内では、PCによる再生が圧倒的に多くなっていますが、1年間の間に、スマートフォン・タブレットPCによる再生が増加していることも分かります。屋外においては、オーディオプレーヤー・カーオーディオが高いものの、1年でやや減少方向にあるのに対し、スマホやタブレット端末の利用率は増加傾向にあります。

これらのデータを総合すると、最近の音楽を聴くスタイルである「無料動画を音源として、PCやスマホで聴く」傾向がより進んでいる、といえるのではないでしょうか。 

ネットに繋がる機器があり、検索すれば動画の形で音源を検索して再生できる現在の状況を考えれば、この流れに傾くのは当然である気がします。音楽がなかなか売れないといわれている昨今、音楽業界も変化が必要だと思います。欧米では、Spotifyなどといった、無料だったり、月額定額での音楽聴き放題(サブスクリプション)のサービスが人気を博していますが、こうしたサービスが日本でも開始されることでユーザーの視聴環境が変われば、音楽業界の現状も変化するのではないでしょうか。