16:9 4:3 Blu-Ray HD SD 地デジ

今さら他人に聞きづらい”HD映像”の基礎知識

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地上波アナログ放送が東北地方を除いて終了し、地デジに移行した機に新型のテレビを買い換えた方も多いのではないでしょうか。こうした時、HDというワードを多く目にすると思います。

一般的に、HDは従来のものより「画質が良い」ものだと漠然と理解されている方が多いと思います。この認識は決して間違いではありませんが、宣伝・広告などのビジネスで映像を用いる際、HDとはどういうものなのか最低限のことは理解していなければ、自分の目的する使い道において、どんな映像フォーマットで制作すべきか判断が付かないでしょう。今日は分かっているようで、曖昧なままにしがちな、HDというものについて理解してみましょう。

 

HDの基本を抑えましょう

HDとは、High Definitionの略で、日本語では「高精細度」と訳されます。高精細度の映像を扱うテレビを、高精細度テレビ(HDTV)と呼びます。「ハイビジョン」という言葉はこのHDを指し示すのですが、言葉自体、実は、NHKの登録商標です。80年代から始まった試験放送を通して、日本ではHD=ハイビジョンという言葉が広まり、定着したようです。HDに対し、従来使われてきた映像方式が、SD(Standard Definition)という標準画質映像です。

HDとSDの違いは、一言で言ってしまうと、「画質のきめ細やかさ」が違います。サイズの違いを具体的に図示するとこうなります。

つまり、同じ映像でも、SDとHDとでは、情報量が最大6倍以上も違うのです。その分、同じ被写体を映してもきめ細やかに撮影することが可能です。一般的に、1280×720ピクセル以上の解像度の映像をHDと呼ぶようです。その中でも、1920×1080ピクセルを映し出す解像度を「フルHD」と呼びます。以下に各規格ごとのハードや媒体についてまとめてみました。

SD(640×480ピクセル程度):VHS・DVD・アナログ地上波

HD(1440×1080ピクセル):HDV・地上波デジタル放送
 →テレビ側で自動的に引き伸ばして正しく16:9の映像に変換している。

フルHD(1920×1080ピクセル):Blu-Ray・BSデジタル放送(一部) 

最終アウトプットはHD?SD?

以前、ショールームに高いテレビを入れたからハイビジョンで映像を作りたいというクライアントが居ました。確かに当時では高価だったフルHD表示できるモデルだったのですが、接続されているのはDVDデッキ・・・。(しかも赤白黄ピン接続・・・。) フルHDを活かすにはBlu-Rayプレーヤーを入れないと画質的に意味が無いですよ、と説得するものの、既にあるDVDデッキじゃダメなのか?の一点張り。結局、ハードの追加購入には理解が得られず、HDで制作して最終的にDVDに落として納品となりました。

この例は、残念な結果の一例ですが、あえてHDで制作し、DVDで納品するという手段もあります。やがてHDでの再生が普及することを見据え、撮影や編集のマスターはHDで保管し、実際の配布等の展開は、現状最も普及している再生環境であるDVDで行うこともよくご提案しています。

また、制作した素材を、放送局やサイネージ等へ入稿する場合、SDだけの受付で、HDは対応できないことも多くあります。入稿のレギュレーションをよく確認することも大切です。

過去の素材を使うときには

弊社で映像制作を請け負うとき、最近ではHDで制作することをお勧めする機会が多くなっています。こうした場合、新たに撮影するのであれば何の問題も無いのですが、以前制作した映像や、過去に撮影した素材を作品中に活かす必要があるとき、過去の素材は殆どがSD素材です。前述した通り、SD素材はHD素材と比べて圧倒的に画質が異なるので、なるべく再撮したいのですが、様々な理由で過去の素材を使わざるを得ないシーンがあります。

HDの場足、画面の縦横の比率(アスペクト比)は16:9。対してSD素材の多くは4:3のものが多く、どうしても混在させるのが難しくなります。そうした場合、SD素材を無理矢理HDの縦に併せて引き伸ばし、余った左右のスペースは黒のままにしたり、代わりに何かデザインした画像を帯のように敷くことになります。テレビ番組でもこうした加工がよく見受けられますが、こうした場合は、過去の素材を使用しているか、撮影機材がHDに対応しないものだったのでしょう。

http://arak.jp/diary/?201007c&to=201007260#201007260

あえて4:3で作ることも

テレビCMを見ていると、誰もが知っているナショナルクライアントであっても未だに4:3のSDで制作されている場合が少なからずあります。CM制作に携わる友人曰く、某大手ファーストフード店のCM撮影の場合、必ず4:3のSDで行っているそうです。

地デジに移行する以前によくあったのですが、テレビの画面設定によって、16:9の画面の両端をカットして無理矢理4:3で表示するという機能がありました。つまり、16:9の画面に最適化して制作したCM・番組の一部が切れて映しだされてしまうのです。今でもそうしたテレビは世の家庭に存在している以上、少しでも多くの視聴者に、自社製品の情報を欠けることなく伝える目的から4:3で制作しているのでしょう。(制作コストの問題、というのも少なからずある気もしますが…。)

以上、HD映像についてご理解いただけたでしょうか。次回は、HD・SDのメディア(テープ)の種類について解説していきたいと思います。