オリンピックの事例から独自の通信網整備を考えてみる

london

世間はオリンピック一色ですね。連日、メダル獲得のニュースが報じられており、一喜一憂している方も多いのではないでしょうか。私も例外ではなく、テレビの前で寝不足にならない程度の深夜まで選手の皆さんの熱闘を視聴する毎日が続いています。昨日は、床運動の内村選手が銀、フェンシング男子団体が銀、卓球女子も銀以上が確定しましたね! 

今年はNHKだけでなく、民放テレビ局132社がオリンピック公式動画配信を行ったりと、動画配信周りでも非常に注目したいオリンピックとなっています。また、Facebookやtwitterが本格的に普及してから初めての開催となります。Facebookにおいては、2008年8月時点の世界でのユーザー数が1億人でしたが、現在では9億人に達していると聞きます。今回のオリンピックでは様々な場面で、ソーシャルメディアの存在感を感じる側面があります。

I COPY U CONTEST

IOC公式のSNSキャンペーンサイト。
アスリートの写真と同じ恰好をした写真をツイッターで投稿。

携帯通信網にトラフィックが集中

こうした中、ustreamerとして、私が注目したいニュースがあります。

 

五輪ツイート多過ぎで障害、「緊急時限定」の呼びかけも(2012.07.31 CNN)

(以下、引用)観客のツイートや携帯メールが増え過ぎてネットワークに障害が発生し、一部の記録が配信されなかったとして放送局から苦情が出ている。

問題が起きたのは28日に行われた自転車男子ロードレース。GPS(全地球測位システム)と通信システムに障害が発生し、選手間の距離が判定できなかったとされる。

五輪の映像を各国のテレビ局に配信するオリンピック放送機構(OBS)は、ネットワークの問題を解決するため負荷分散に努めているという。「ソーシャルメディアの利用をやめさせたいわけではない。ただ、送信は緊急時のみとするよう配慮してもらえればと思う」とも付け加えた。(引用終わり)

映像のデータではなく、番組を構成するためのGPSデータではありますが、通信トラフィックの集中によって、番組に支障をきたしてしまったという事例です。これは、Ustreamなどの動画配信を行う際にもよく有りうる話で、多くの観客が集まる場所からの配信には気を付けたいポイントなのです。

話が少し変わるのですが、当社では2010・11年の2年間に渡り、京都の祇園祭の様子をUstreamでライブ中継を行いました。数十万人の観光客が集まる京都の会場では、通信環境が不安定で苦労した2010年の反省を生かし、2011年では、3G回線を束ねて帯域を確保する機材を導入し、安定的に配信するこことに成功しました。

2010年:<事例紹介> 2010年祇園祭・南観音山Ustream動画ライブ中継

2011年:移動を伴ったUstream配信システム~祇園祭中継の機材~

既存のものに頼らない独自システムで映像電送!

通信トラフィック過多による障害は、一般の観光客と同じ、携帯通信網を共用することから発生してしまいます。業務用に一般とは異なる契約・通信方法を選択できれば良いのですが、現状では聞いたことがありません。

そこで、今後、こうした問題が生じそうな場合、独自の通信方法を準備しておくことがひとつの解決策になるのではないでしょうか。株式会社松浦機械製作所さまのソリューションは、既存の携帯電話網に頼ることなく、まさに独自のシステムで映像を伝送することができます。(無線局の登録、第3級陸上特殊無線技士の免許が必要)

株式会社松浦機械製作所 PerfectCommunication

 事前に山やビルの頂上等、見通しが効く場所に設置した受信機と送信機によって、IP変換したデータ(映像)を伝送するソリューションです。ビルの谷間やトンネルなど、見通しが効かない場面では通信できませんが、受送信機間2~3km程度では20Mbps、10km未満の場合でも2~3Mbpsの速度が出せるので、HD映像でも伝送することができます。

中でも、 特に注目したいのがMPH-030移動中継自転車「チャーリー3」です!

個人的に、このような発想の機材、大好きです!! 自転車には送信機と、自動で受信アンテナを追尾する送信アンテナが搭載されており、自転車によって移動しながら映像伝送が可能です。別途、映像をIPに変換する機材が必要になります。自動車型だと、移動しながらの電送ができないとのことでした。

マラソンのUstream中継で活用された事例が面白いです。(どうしても移動が伴うと、データ通信量が変動して不安定になりがちになるので、このカメラ映像で完結させるのではなく、スイッチング素材として使ったとのことでした。)

ブログより、移動中継の様子の写真を引用

一連の機材、レンタルもされています。松浦機械製作所さまは徳島県の企業で、東京に拠点はありませんが、「チャーリー3」は分解が可能なので、宅急便等で送付が可能とのことです。また、徳島-晴海間にフェリーが運行されているので、自動車タイプのものでも東京方面に運送してレンタルが可能だとか。

多くの携帯ユーザーが集まる会場で、どうしても映像の無線電送を行わなければならない場合、こうした機材が役に立つのかもしれません。