情報を“間引く”Facebookと“追加する”Twitter

アクトゼロの藤村です。火曜日のプランナーズブログをお届けします。

「いいね!」獲得施策を完全NGとする規定改訂を発表し、ソーシャルマーケティング界隈に一石を投じたFacebookですが、先日8月25日(現地時間)、ニュースフィードにおけるアルゴリズムの変更を新たに発表しました。

今週はFacebookの新アルゴリズムの考え方と、直近でアップデートされたTwitterの新タイムラインの仕様を、改めて比較してみたいと思います。

Facebookがまた仕様変更。安易な「餌」でクリックを釣るとアルゴリズムに弾かれる

今回Facebookが発表したアルゴリズムの変更は、「クリック狙いの低クオリティな投稿」を選別し表示回数を減らすというもの。
「クリック狙いの低クオリティな投稿」とは、外部リンクへのクリックを誘引する思わせぶりな文章や画像を添えたポストのことを指すようです。
Facebookはこれらを「Click-baiting」と呼んでいるそうで、直訳通り、疑似餌のようなコンテンツでアクセスを釣り上げるような投稿は今後アルゴリズムに跳ねられ、リーチしなくなります。

例えば、たまにフィードに流れてくるこんな投稿。

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上記投稿のリンク先はアプリのインストールを促すコンテンツとなっており、導入であった情報の続きを受け取ることはできません。
まさに今回対象となる「Click-baiting」といえると思います。
今年の頭に流行った、Twitterのサードパーティアプリケーションへの連結を狙うスパム系も、こんな装いのものが多かった印象です。(弊社山田が記事にしています。【○○が消えた理由がガチ過ぎて怖い!】ツイッターのアプリ連携にはくれぐれもご注意を

新しいアルゴリズムでは、ユーザーが外部リンクをクリックしてからFacebookへ戻ってくるまでの時間、クリックしたユーザーがその後いいね!やシェアのアクションをとったパーセンテージなどで、そのポストが「クリック狙いの低クオリティな投稿」かどうかを判断します。
期待したコンテンツがクリック後に用意されていなかった場合、ユーザーは数秒でフィード上に直帰してくることとなります。
発信側の意図に関わらず、それは即ちFacebookにとって「Click-baiting」な投稿であると認識されてしまうようになるんですね。

「間引く」Facebookと、「追加する」Twitter

対するTwitterが先週発表、導入したタイムラインのアップデートは、Facebookの取り組みとは両極な考え方と言えるかもしれません。
これまでフォローユーザーのツイート、及びリツイートのみが表示されていたタイムラインに(プロモツイートは広告扱いなのでこの限りではありませんが)、Twitterが判別した「人気のツイート」や「関連性の高いツイート」、フォローユーザーの「お気に入りツイート」などが、レコメンドとして自動的に追加されるようになりました。
これまで「#見つける」で閲覧していた内容が、タイムラインに流入してくるようなイメージですね。

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Twitter側はこのアップデートを、「あなたのTLをもっと興味深いものにする」目的であると発表しています。
しかし、タイムラインでの情報の取捨において自由度も精度も高かったTwitterのタイムライン上が煩雑化することに、ユーザーの反応はあまり芳しくありません。
また、リツイートやお気に入りの単純数で判別しきれない投稿をアルゴリズムが拾ってしまったり、まだまだ改善の余地はありそうな印象です…。

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こんな投稿が公式オススメで上がってきたりしている状態なので…。

 

不要な情報を極力省き、フィードに流れるポストのクオリティ向上へ舵を切ったFacebook。
ユーザーにとって有益であろう情報の取りこぼしを防ぐべく、タイムライン上の情報量増加を決断したTwitter。

ユーザーに届けられる情報の精度を向上させようとする動きはFacebook、Twitterに共通するものですが、考え方の根幹となる部分については、両サービスで極端に二分化してきたといえるのではないでしょうか。