提案型AI?Facebookが発表したパーソナルアシスタント「M」がすごい。

アクトゼロの藤村です。木曜日のプランナーズブログをお送りします。

今月26日、Facebook Messengerで導入を検討していたパーソナルデジタルアシスタント「M」のテストが開始されることを、Facebookが発表しました。
まずは一部の米国ユーザーを対象に招待制でのテストを実施し、段階的な展開を経て、将来的には全ユーザーが無償で活用できるようになる見通しです。

既存のパーソナルアシスタントとしては、お馴染み「Siri」や“OK Google”のTVCMで有名な「Google Now」などが徐々に浸透しつつありますが、いずれも人工知能がスタンドアロンで対応している為、汎用性は限定的と言える状況です。
比較して、今回発表された「M」は、サポートとして「M Trainer」と呼ばれるスタッフが常駐監視しているとのことで、人工知能で対処しきれないニーズには人的な対応を行っていくようです。
また、本件をFacebook上で発表したDavid Marcus氏は、「他の人工知能に基づいたサービスとは異なり、Mはあなたのタスクを完了することができる」としています。

タスクを完了するとは?

Marcus氏は「M」ができることとして、商品の購入、配送手配、飲食店の予約、旅行の手配などを例に挙げています。
添付されたスクリーンショットでは、友人の子どもへの誕生プレゼントを「M」に相談するシーンを紹介。
「服やおもちゃはたくさん持っている」という情報をもとに、「M」は“靴はいかがですか?”との回答と、ベビーシューズを販売するECサイトへのレコメンドを表示しています。

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また、“来週シカゴへ行く予定があるので、美味しいハンバーガーショップが知りたい”というユーザーからの問いかけに対して、実店舗の紹介と、“予約しますか?”との回答を行っている様子も公開されました。

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検索型→提案型へ進化する人工知能(AI)の可能性

これまでのパーソナルアシスタントでは、ユーザーが必要とした情報を提供する「検索」の域を、完全に脱却したとは言えませんでした。
今回「M」によってFacebookが発表したのは、「検索」を飛び越えた「提案」としてのあたらしいレスポンスです。
与えられたユーザーニーズの更に先のニーズを人工知能が自ら考え、提案することが可能になれば、人と人との対話が生み出すような驚きや発見に近い“未知との出会い”も期待できるのではないでしょうか。

アシスタントというよりは、パーソナルコンシェルジュに近い「M」の、国内リリースが今から楽しみですね。